コリアインサイト サムスン電子が新型フォルダブルスマホを発売
2022.09.01 (木)
サムスン電子が新型フォルダブルスマホを発売
8月11日、サムスン電子は新型フォルダブルスマホを発売しました。
フォルダブルスマホとは折りたたみが可能なスマートフォンです。折りたたみ式携帯端末というと、昔ながらの「ガラケー」をイメージするかもしれません。しかし、画面とキーボードの間を折りたたむのではなく、大画面の中心を折り曲げてたたむことができるのがフォルダブルスマホです。
8月16日から22日までの7日間で97万台が予約販売されました。これは、前モデルの「ギャラクシーZフォールド3」と「ギャラクシーZフリップ3」を5.4%上回っています。足元、景気減速気味にもかかわらず好調な売れ行きであることから、目標の1,000万台は達成できると思われます。BTSを前面に出したマーケティング戦略も奏功しているのでしょう。今回は新製品の特長と今後の見通しを見ていきます。
サムスン電子、折りたためるスマホの新モデルを発売
サムスン電子は、このたびの新型スマホの発売を機にフォルダブルスマホの大衆化を図っています。前モデルと大きな変更点はありませんが、重さやバッテリー、カメラ、折りたたみ部分のシワなどを改善し、完成度を高めています。こういったことから、同社は前モデルからの買い替えではなく、従来型のバー型スマホからの買い替え需要を狙っていると思われます。
前モデルから改善された主な点は以下のとおりです。
ギャラクシーZフォールド4
バッテリーは変わらず。ただし、無線充電を10W→15W、重さを271g→263gと8g軽量化、ヒンジの縦の長さを3.12㎜縮小(横の長さは2.7㎜増)。
ギャラクシーZフリップ4
バッテリーの容量を3,300mAh→3,700mAhに増量、動画視聴可能時間を3時間延長、充電を有線は15W→25W、無線は10W→15W、ヒンジの長さを縮小、e-SIM連携で携帯電話番号を2つ使用可能。一方、重さは183g→187gと4g増加。
折りたたみスマホの割合増加
2022年のサムスン電子のスマホ出荷台数は1,500万台(前年比111%増)と推定されますが、そのうち今回のモデルが7割超を占めると予想されます。バー型スマホから折りたたみ型スマホへのシフトが試される1年になりそうです。
未来の折りたたみ型スマホ
今後、中国企業や米アップルも本格的に折りたたみスマホに参入するとみられます。そんななかサムスン電子は先行者利益を活かし、より進化したモデルを発売していくと思われます。例えば3段階に折りたたむスマホなどが出てくるかもしれません。実際にこのようなコンセプトがすでに公開されています。ますます激しくなるフォームファクター(製品形態)競争を背景に、続々と最先端モデルが誕生する状況は、消費者の購買意欲を一層掻き立てるのではないでしょうか。
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