マーケットのミカタ 予想以上に堅調が続く米国労働市場
2023.02.09 (木)
予想以上に堅調が続く米国労働市場
FRB(連邦準備制度)の利上げサイクル終了は近い
2月1日に開催されたFOMC(アメリカの金融政策の方針を決定する委員会)で、政策金利が0.25ポイント引き上げられて4.5~4.75%になりました。
まずはアメリカの政策金利の推移を見てみましょう。
今回のFOMCでは、あと2回程度の利上げで適切な水準に達する見通しであることや年内の利下げは想定していないことなどが示されました。
アメリカのインフレはピークアウトが続いていますが高水準にあり、引締め的な金融環境が長期化する可能性は高そうです。
アメリカの労働市場の強さは予想を遥かに上回る
2月3日に発表された1月のアメリカの雇用統計では、市場予想を大きく上回る雇用者数の増加が示され、株式市場ではFRBの金融引締めが長期化する懸念が高まりました。
雇用統計の主要項目の推移を見てみましょう。
3つのグラフから、1月は雇用者数が大幅に増加し、失業率は低下基調が続き、平均時給は高水準が続いていることが分かります。
労働市場の強さは賃金上昇の継続に繋がり、インフレの上昇要因になります。
また、アメリカ企業の1月の人員削減はハイテク業界を中心に10.3万人に急増していたというニュースもあった中で、今回の雇用統計では労働市場の需要が供給を引き続き上回っていることが示され、サプライズも大きかったとみています。
1月の日米株式市場は予想以上に大きく上昇しましたが、FRBの金融政策や経済指標によって一進一退する状況はまだ続く可能性があります。
- 当記事は、アイザワ証券のラップサービスの一つ「スーパーブルーラップ」のファンドマネージャーである三井郁男が作成したレポートを、添田恭平が再構成したものです。
- 「スーパーブルーラップ」の詳細はこちらから
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