ザ 語源 第16回 保険(インシュアランス)
2023.01.10 (火)
保険(インシュアランス)
保険とは、たくさんの加入者がお金(保険料)を出し合い、万一加入者の誰かに不幸な事が起きたときに、その人の被害額を埋め合わせるため、加入者で集めたお金(保険金)を給付する助け合いの制度です。「人」にかける保険は「生命保険」、「モノ」にかける保険は「損害保険」に大別されます。公的年金の「厚生年金保険」も実は「保険」です。「厚生年金保険」は高齢になって働くことが困難になった時に収入を確保するための「保険」です。今回は「保険」の語源について説明します。
「保険」は英語で「インシュアランス:insurance」といいます。「insurance」は「in:~する」、「sure:確実に」、「ance:こと」という3つの意味から出来ています。つまり「保険:insurance」は「確実にすること」が語源です。
次に日本語の「保険」の語源を探ってみましょう。まず日本語の「保険」は中国でも同じ「保険」です。「保険」は中国由来ということです。
中国において「保険」という用語が確認されたのは3世紀末に書かれた「魏志倭人伝」の中の記載です。そこには「保険自守」と書かれています。「自らを守り険を保つ」、「険を保つ」とは「峻厳な山城や砦に立て籠もる」つまり「籠城して身の安全を保つ」という意味です。
日本では江戸時代まで「保険」は「請合(うけあい)」といわれていました。先ほど説明した「insurance」の訳語として明治中期あたりから中国語の「保険」が使用されるようになりました。
「保険」はなんとしても守りたいものへの備えなのです。
※本記事で解説する内容について、実際の言葉の成り立ちや、一般的とされる説と異なる場合がございます。
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