以新伝心 ゲームで世界を席巻?東京ゲームショウ2024
2024.10.21 (月)
ゲームで世界を席巻?東京ゲームショウ2024
TGS会場の様子[写真は筆者撮影]
9月26日~29日の4日間に渡り幕張メッセで開催された、世界有数のゲーム展示会である東京ゲームショウ(以下、TGS)に参加。ゲーム市場は、コロナ禍の在宅時間増加を背景に2023年にはその市場規模を2019年のおよそ2倍となる約29兆円まで急拡大(CESA:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会調べ)。本イベントはその熱気を改めて実感する盛況ぶりであった。
TGSは、業界団体であるCESAが主催の(共催:日経BP・電通、後援:経済産業省)、「E3」(米国)・「ゲームズコム」(欧州)と並ぶ世界3大ゲームショーの一角。新作ゲームの発表から業界関係者同士の商談まで様々な催しが行われる、ゲーム業界最注目のイベントで、4日間(前半2日がビジネスデイ、後半2日が一般公開日)の来場者数は約27万人を記録した。2020年のパンデミック以来TGSはオンライン併催となっているが、リオープンにあわせて出展社数、来場者数は徐々に回復。34回目の開催となる今回(第1回目は1996年。1997~2001年は年二回開催)は、出展企業958社・展示ゲームタイトル2850本と過去最大規模となった。なお余談ではあるが、残念なことにTGSには日本を代表する家庭用ゲーム機メーカーの任天堂(東証プライム:7974)は出展していない。
今回のTGSでは、出展企業の半数以上(44地域・535社)が海外企業であったことと、来場者に占める外国人の多さは特筆すべき点であった。コロナ禍で進んだ世界的なゲーム人口の増加や、昨年に米国の「E3」が終了となったことも相まって、海外におけるTGSの注目度が高まったことが背景とみられる。その中でも、サウジアラビアはゲームへの関心を最も強めている国の一つ。今回のTGSでも大規模なブース出展に加えて王族が来日している。7~8月には世界的なeスポーツの祭典「eスポーツワールドカップ」を開催するなど、国策としてゲームの基幹産業化を推し進めている。そんな中2022年には、格闘ゲームを中心に多くのコアなファンを抱える大阪の老舗ゲームソフトメーカー「SNK」(非上場)を、サウジアラビア皇太子が保有するミスク財団傘下の企業が買収するなど、グローバルでも高い認知度を誇るIP(キャラクターなどの知的財産)を有する日本のゲーム関連企業に対する関心は高い。株式市場に目を向ければ、コナミグループ(東証プライム:9766)やカプコン(東証プライム:9697)など日本を代表するゲームメーカーが上場来高値を更新するなど、ゲーム関連企業の評価も高まっている。今後もゲーム業界の動向から目が離せない。
※「以新伝心」は、新しい出来事に着目し、心に伝えることをコンセプトにしたコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。
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