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ザ 語源 第33回 ASEAN諸国 国名の由来①

2024.04.08 (月)

アイザワ証券 ファイナンシャルアドバイザリー本部

飯田 裕康

ザ 語源 第33回 ASEAN諸国 国名の由来①

前回の「ザ・語源」に引き続き、今回は東南アジア諸国連合(ASEAN:アセアン)10か国のうち当社で取り扱っているアジア株(※)の国々中心に国名の由来を解説して参ります。
※シンガポールは前回「ザ・語源 第32回 アジア四小龍 国名の由来」で取り上げましたので、今回は「タイ」と「インドネシア」を解説します。

本題に入る前にASEAN10か国の経済力:GDP(国内総生産)および国民1人あたりのGDPを俯瞰したいと思います。次の表をご覧ください。順番は1人あたりGDP順です。数値は比較しやすいように米ドル換算に統一しました。さらにある国で購入できる商品が他の国でどれくらい購入できるかを表す購買力平価換算も付け加えました。

ASEAN 10か国のGDPと国民1人あたりのGDP

表をみるとASEAN10か国のうちシンガポールとブルネイの国民1人あたりのGDPが日本のそれを上回っているのがわかります。

それでは本題に移ります。

タイ(タイ王国)

「タイ」の国名の由来は2つあります。一つは「自由」を意味するというもの、もう一つは「大(ダイ)」、つまり大きいという意味から来ているというものです。いずれも古代中国語に由来していると考えられています。「タイ」は1939年まで「シャム」、英語読みでは「サイアム:Siam」が国名でした。タイ証券取引所には「サイアムセメント:SCC」や「サイアム商業銀行:SCB」などタイの旧国名である「シャム:サイアム」を冠した企業が上場しています。

因みに「シャム猫」は「タイ」の原産です。昔はタイ王室や僧侶など高貴な身分しか飼育が許されない特別な猫でした。国名を冠する猫は他に「ペルシャ猫」(ペルシャはイランの別称)があります。「シャム猫」はピンと立った大きな耳、サファイアブルーの目、V字の端正な顔が特長で手足と首が長くスタイル抜群です。長い間タイの貴族に愛情を注がれていたせいかその姿や性格も気品と気位が高く感じられます。

インドネシア(インドネシア共和国)

「インド」と「インドネシア」は国名に「インド」という共通点があります。「ネシア」というのはギリシア語が語源で「島々」や「諸島」を意味します。「インド+ネシア」で「インドの島嶼国(とうしょこく:島々で構成される国)」という意味です。他にも「ネシア(諸島)」が付く地域名として「ポリネシア」や「ミクロネシア」などが挙げられます。

「インドネシア」の国名の由来は西欧列強による植民地支配の時代まで遡ります。「インドネシア」はかつてインドの東に位置しているので「東インド」と呼ばれておりました。

「インドネシア」は香辛料の産出地だったのでこの地の香辛料貿易を目的に英国やオランダが貿易会社をあいついで設立しました。これが世界初の株式会社である東インド会社(※オランダ東インド会社が世界初)です。「インドネシア」は17世紀には早くもオランダの支配下におかれていきました。筆者は「東インド会社」について西欧から見て東にあるのでそれが社名の由来であると勘違いしていました。

20世紀初頭には「東インド」は「インドネシア」という名称が定着し、1949年に5年にわたる独立戦争を経て「インドネシア」が正式な国名となりました。

以上今回はASEAN諸国のうち「タイ」と「インドネシア」の国名の由来を解説してまいりました。次回はマレーシア、フィリピン、ベトナム、カンボジアの国名の由来をご紹介する予定です。

※本記事で解説する内容について、実際の言葉の成り立ちや、一般的とされる説と異なる場合がございます。

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ライター

飯田 裕康

アイザワ証券 ファイナンシャルアドバイザリー本部

飯田 裕康

1991年アイザワ証券入社。2002年まで支店のリテール営業を務め、2003年からは支店長として関西方面中心に4つの新店舗を開設。2012年の投資リサーチセンター(現市場情報部)センター長、2018年のインターネット取引部門長、2021年の投資顧問本部長等を経て、現在は西日本ファイナンシャルアドバイザリーを担当。

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