ベトナム便り コーロア物語
2022.10.07 (金)
Xin chào!ベトナム研修生の森本です。
突然ですが、ベトナム北部の「Co Loa(コーロア)」という場所をご存じでしょうか。コーロアには東南アジア最古といわれるコーロア城跡があり、ベトナムが他国から侵略される以前の雰囲気が残っています。
この長い歴史を持つ地域に、ビングループ傘下のビンホームズが、新たな都市を開発しています。今回は、ビンホームズが注目するコーロアとは一体どんなところなのか、過去に東京宝塚劇場で公演されたこともある「コーロア物語」に沿ってご紹介したいと思います!
コーロア物語のストーリー
昔、オーラック国にアンズオンという王がいた。アンズオン王が城を造ろうとしても、悪霊が一晩で壊してしまう。そこで王は儀式を行い、神の加護を求めた。するとキムクイ(金亀)が現れた。キムクイは悪霊退治の方法をアンズオン王に伝え、無事堅牢な城が完成した(コーロア城)。キムクイは別れ際に自分の爪をプレゼントし、王はそれで石弓を作った。それはたった一本の矢で数千もの敵を倒すことができる、魔法の弓であった。
その頃、チョウダ(趙佗)という男が中国南部に、ナムヴェット国を築いた。そしてチョウダは何度もオーラック国を攻め落とそうとするが、堅牢な城と魔法の石弓をもつオーラック軍には敵わない。そこでチョウダは戦略を変え、息子のチョントゥイをアンズオン王の一人娘であるミーチャウと結婚させ、二国間の和平にこぎつけた。
結婚後ふたりはオーラック国で暮らす。しかしチョントゥイは、父のチョウダから「オーラック国の秘密を探ってこい」と指示されていたため、夫を溺愛するミーチャウから石弓の秘密を聞き出し、偽物とすり替え、ナムヴェットに帰国した。
帰国直前、チョントゥイはミーチャウにこう尋ねた。「もし2国間で戦争が起きたら、あなたをどうやって探し出そうか」。夫を信じてやまないミーチャウは、「もしそうなったら、私は鷲鳥の羽でできた服を着て、行く先々に羽を撒くわ。そうすれば見つけられるでしょう。」
間もなくして、ナムヴェット国がオーラック国を再度攻めに来た。しかし魔法の弓矢は偽物にすり替えられているため、何の役にも立たない。王はミーチャウを連れてかろうじて城から脱出し逃亡するも、ミーチャウが羽をばらまいているので、それをたどって敵が追ってくる。
海岸まで逃げると、そこにはキムクイがいた。王は尋ねた「なぜオーラック国は破れたのだ」。キムクイは「敵はお前のすぐ後ろだ」と即答。すべてを悟ったアンズオン王は、無実を訴えるミーチャウの首をはねたあと、キムクイを追って海に入水した。ミーチャウの遺体は海に流されてコーロアにたどり着き、村人がそれを岸に揚げた途端、大きな石に変化した。
一方チョントゥイは、愛する妻を失い悲しんでいた。ある日、オーラック城の前にある井戸を覗くと、水面にミーチャウの顔が浮かび上がり、チョントゥイは思わず井戸に飛び込んで命を落とした。
という、なんとも悲しい終わり方ですが、コーロアでは毎年テト(※)になるとコーロア祭りが開催され盛大に祝われます。コーロア城を築いた歴史的な英雄であるアンズオン王を迎えるためのお祭りとして、ベトナム相撲や剣舞、伝統劇、闘鶏など当時の風習に基づいた行事が行われるそうです。
※テト:中国の春節と同様に、ベトナムでは旧暦で新年を祝う。2022年の旧暦の大晦日は1月31日、元旦は2月1日で、1月29日~2月6日が「テト休暇」だった。
コーロアの街並み
ベトナムは交通量が多く(特にバイク)、大変賑やかなところですが、コーロアはどこを歩いてもとても静かで心地いい田舎でした。
街ゆく人もとても穏やかで親切です。私が道に迷って困っていたり、スマホの充電がなくて帰りのタクシーが呼べなくなったとき、言葉が通じないながらも懸命に助けてくれました。私の周りには最終的に5人ぐらい集まっていました。ベトナム人は親切ですが、コーロアの人々は特にそうだと感じました。
街中を歩いて回ると、どこの家にも国旗が掲げられていました。ベトナムでは9月2日の建国記念日が近づくと、国旗掲揚しなければならないそうです。
歩道喫茶店
ミーチャウ廟の前で、ノンラー(ラタニアの木の葉でできた円錐形の帽子)を被ったベトナム人女性に声をかけられました。「開場まであと30分あるよ、こっちにおいで」と呼ばれ、道端の喫茶店で休憩することに。おばあさんは元ベトナム語教師だそうで、グーグル翻訳でやり取りしながら、ベトナム語やコーロアのことを教えてもらいました。
コーロアは田舎の割に華美な戸建てが散見されますが、それらは都市部に出稼ぎに行った人たちが戻ってきて建てた家だそうです。おばあさんは大きな建物がどんどん建つことを悲しそうに話していました。観光客の間で有名な話好きのおばあさんだそうで、約40分間も話しました。
Vinhomes CoLoa DongAnh(ビンホームズ・コーロア・ドンアン)
Vinhomes CoLoa DongAnh(ビンホームズ・コーロア・ドンアン)
面積:385ha(ハウステンボスの約2倍)
所在地:ハノイ市ドンアン区ドンホイ コーロア
施工会社:コテコンズ建設
内容:高級住宅、展示場、ショップハウス、ショッピングモール、学校、オフィスなど
同プロジェクトは大方完成しているそうです。こんな田舎でも、同プロジェクトへの注目度は高く、同社のブランド力を感じます。2022年の第4四半期(10~12月)に販売開始予定とのことなので、どのくらい盛り上がるのか楽しみですね。
コーロアは、ベトナムがまだ他国から侵略されていない紀元前2~3世紀頃の、真のベトナム文化を感じられるところなので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(執筆:森本凌都)
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