ベトナム便り ベトナム製造業エキスポ(VME2022)その2
2022.09.22 (木)
Xin chào!ベトナム研修生の森本と高井です。
JSIのベトナム人スタッフ行きつけの美容室で髪を切って以降、至る所でベトナム人に間違われる高井を含む研修生3人で、製造業を支える会社が数多く出展する展示会の「ベトナム製造業エキスポ(VME2022)」に行ってきました。前回に続き、今回は出展社各社で伺った話をご紹介します。
ベトナム製造業エキスポ(VME2022)とは
8月10~12日にハノイで開催された展示会で、国内外から製造業約200社が出展し、自社製品を披露。ベトナム国内だけでなく日本・中国・香港・シンガポール・ドイツなど、海外の会社も多くグローバルな展示会でした。来場者数は10,000人を超え、多くの産業関係者と出会えました。
各企業の担当者に聞いてみた
会場の中でも特に目を引く位置に出展しているのが日系企業でした。その真意について話を伺ってみました。
「日系企業のベトナム進出の際にいち早くサポートできるように現地法人を立てている」
―プライム市場上場会社(部品製造)の駐在員
「現在の売り上げは日系企業向けに依存しているが、ローカル企業への販促も図っている」
―プライム市場上場会社(検査機器製造)のベトナム担当者
「ベトナムは韓国の半導体などのようにまだ強い分野が少なく、”特色のない市場”と呼ばれているため、商機があると感じている」
「ベトナムは成長スピードが速く、特に国家主導のプロジェクトはどんどん進んでいく」
―香港系会社(金型製造)日本支部のベトナム担当者
一様にベトナム市場に魅力を感じている事が見て取れました。未だ「特色のない市場」であるベトナム。今回お話を伺った中で多くの方が口を揃えて言ったのが、ビンファスト向けの製品販売についてでした。
製品体験
日本のファナックと安川電機、ドイツのクーカと並ぶ世界4大産業ロボットメーカーの一つであるスイスのABB の製品を体験しました。同社の製品は、ビンファストの工場でも使用されています。
ロボットのアームは離れているところからでも、まるで自分の手足のように動かすことができました。あらゆる場面で応用が利く上に、誰でも簡単に操作できるので、人手不足の解消にも繋がりますね。
トラックボールのようなリモコンを操作することで、ロボットを滑らかに動かすことができます。力もマニュアルも不要で、直感的に操作可能です。
国策としてのビンファスト
ベトナムでは、電気自動車(EV)普及のため、以下のような優遇策があります。
- 付加価値税(VAT)を10%から8%に引き下げ(2022年2月1日~12月31日)
- EVを購入する際の登録料が10%から5%に減免
- EVの特別消費税を大幅に削減
税率はモノによって異なり、5~150%が課される。(一般的な軽自動車は40%) - 輸入する場合はさらに50%の関税を課される
ベトナムの自動車は世界一値段が高いといわれているが、これが大きな要因であると考えられる。
輸入車に高関税を課し、国産車に様々な税制優遇措置を施すことで、国産自動車産業(ビンファスト)を育成していこうという国策がとられているのです。
(執筆:森本凌都、高井竜二)
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