相続
相続通信 第51回 金銭以外の財産による納付(物納)
2021.02.21 (日)
Q 分割の支払いでも相続税を納付することが困難な場合は?
分割による相続税の納付を検討しましたが、金銭の納付ではなく、相続した財産を納めることにより、相続税の支払を済ますことはできませんか。
A 相続財産により納めることが可能です。
延納によっても金銭での支払が困難な理由がある場合には、相続財産による相続税の支払が認められる場合があります。相続財産による相続税の支払を「物納」といいます。
解説
税金は金銭で支払うことが原則です。ただし、金額が大きく、納税資金もない場合には、金銭で納めるのが困難な場合もあるでしょう。そのような場合に物納が認められる場合があります。
物納は当然に認められるわけではなく、金銭で納めることが本当に困難であるか審査され、判断が下されます。
物納できる財産には優先順位があり、国債、地方債、不動産の優先順位が最も高い財産です。その次に、社債や株式が優先されます。
ただし、優先順位が高い不動産であっても、担保が設定されている、権利の争いがある、共有名義となっている、預り敷金などの債務の返済が必要となるものは、その処分に制限があるため物納する財産として認められません。