好調なベトナム航空関連株の状況と今後のポイント
2022.03.04 (金)
ベトナムでは、テト休暇後に航空関連企業の株が上昇した。
直近のベトナムの動向、航空関連株の今後のポイントなどについて考えてみたい。
ウィズ・コロナへ舵切るベトナム
新型コロナウイルスの流行が始まった当初、ベトナムは徹底して新型コロナウイルスの封じ込めを行った。その結果、他国に比べ新規感染者数を抑えることに成功。2021年半ばに再燃したことで警戒感が強まったものの、ベトナムは次にウィズ・コロナ政策へと舵を切りつつある。
2022年2月16日ベトナム政府は外国人観光客の受け入れを3月15日に全面的に再開することを決定。2021年11月から南部のリゾート地であるフーコック島など一部地域で試験的に外国人観光客の受け入れを再開していたが全国で再開するのは約2年ぶりとなる。
ワクチン接種の進展においてもベトナムは他の新興国や日本の状況と比較して順調に推移しており、ベトナム経済の正常化期待が高まりつつある。
今後の注目点
直近のベトナム株は他市場と比較して好調に推移しているがその中でも航空関連株の上昇が際立っており、多くの航空関連株はコロナ前の水準まで戻っている。要因として外国人観光客の受け入れ再開など一部の制限緩和の動きが航空関連企業の株高につながっていると考えられる。
一方、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻によって世界経済を不安定化させており、エネルギー価格高、インフレ圧力への懸念など影響が広がっている。ベトナム国内でもインフレ懸念の警戒感が高まっているが政府は環境保護税の引き下げや石油国家備の放出が予定されており、インフレに対する影響は最小限にとどめられる見込みだ。
コロナ前である2019年にはベトナムに約1,800万人の外国人観光客が訪れていた。その後20年に383万7,300人と78.7%減、その翌年の21年は15万7,269人と前年比95.9%減で大幅に減少していることが分かる。他国と状況は同じでベトナムの航空関連業界も大きなダメージを受けたといえよう。
ロシアによるウクライナ侵攻、新型コロナウイルスの推移など懸念材料はあるものの多くの国において国内外の移動制限が緩和されはじめていることは航空業界においてプラス材料だ。これまでベトナムの航空関連株は期待先行、リバウンドの色彩が強かったが、今後は実需を伴った株高に繋げられるか関連企業の収益の動向、政府の方針などを注視していきたい。
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