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新NISAの非課税枠は5年で使い切るべきか?メリット・デメリットを紹介

2024.09.19 (木)

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

新NISAの非課税枠は5年で使い切るべきか?メリット・デメリットを紹介

新NISAを始めたばかりの方のなかには、非課税枠を最短の5年で使い切るべきか迷っている方もいるでしょう。ただ、長期間にわたって少しずつ使う方法もあります。どちらにすべきか、それぞれのメリットとデメリットを考慮して決めたいところです。今回は、新NISAの非課税枠を5年で使い切るべきかどうか解説します。

新NISAの非課税枠は5年で使い切るべきか

新NISAでは、一生涯で1,800万円までの非課税枠を使用できます。非課税枠はつみたて投資枠と成長投資枠に分けられ、非課税枠をどれくらいの期間で使い切るかで内訳が異なります。例えば、最短5年で使い切る場合の内訳はつみたて投資枠が600万円、成長投資枠が1,200万円です。

また、1年間でつみたて投資枠は120万円、成長投資枠は240万円の合計360万円分の非課税枠を使用できます。そのため、非課税枠を使い切れる最短期間は5年です。
新NISAを利用するなら、非課税枠はできるだけ早く使い切ったほうが良いという見解を耳にすることもあるでしょう。
新NISAにおいては、株価が長期的に上昇していくという想定の元で投資をします。順調に株価が上昇すれば、早めに株や投資信託を買っておいたほうが有利になるはずです。しかし、株価は一時的に下がることもあるため、一概に非課税枠を5年で使い切るのが最も有利とは言い切れません。5年で使い切る方法と、長期間にわたって少しずつ使い切る方法を比べると、それぞれ一長一短あります。

新NISAの非課税枠を5年で使い切るメリット・デメリット

新NISAの非課税枠を5年で使い切る場合について、メリットとデメリットをみていきましょう。

メリット

非課税枠を5年で使い切る場合には、早い段階で元本が積み上がるのがメリットです。投資では元本が大きいほど得られる利益も大きくなります。早い段階で元本の合計が非課税枠上限の1,800万円に達していれば、その後に得られる利益にも大きな差が出てきます。

非課税枠を使い切る年数の違いによる30年後の利益の差は、次の表の通りです。非課税枠を使い切った後は保有し続けるという条件で、想定利回りは3%としています。

非課税枠を使い切る年数が5年と30年とでは、30年後の利益の合計は2倍程度も差がついています。順当にいけば、最短の5年で使い切るのが最も有利という結果です。(※あくまでもシミュレーションによるものであるため、必ずしも同様の成果になるわけではありません)

デメリット

非課税枠を5年で使い切るには、年間360万円の資金が必要で、毎月30万円を投資に回すことになります。平均的な所得水準の方にとっては、かなり難しいといえます。実際に非課税枠を5年で使い切れるのは、高所得者や預貯金が潤沢にある方などに限られます。

数年おきに株価の暴落が起こる点にも注意が必要です。直近では2020年のコロナショックや2022年の世界的な利上げ局面で株価が大きく下落しました。投資をしていると株価下落時に含み損を抱えてしまう可能性があり、元本が大きいほど影響も大きく受けます。また、6年目以降に追加投資したくなることもあるでしょう。その場合には、すでに買っている金融商品を売却すると、翌年に非課税枠を再利用できるようになります。ただし、売却してもすぐには非課税枠で投資できないため、有望銘柄が出ても投資しにくいのもデメリットです。どうしてもすぐに投資したい場合には、課税口座を使用するしかありません。

新NISAの非課税枠を長期的で使い切るメリット・デメリット

新NISAの非課税枠を長期間にわたって使い切る場合について、メリットとデメリットをみていきましょう。

メリット

長期間にわたって非課税枠を使い切る場合、少ない金額で投資し続けることになります。時間分散と価格分散ができるため、高値掴みのリスクを回避しやすいのがメリットです。投資信託の積立投資なら、定期的に同じ金額だけ購入できる「ドルコスト平均法」で投資が行えます。基準価額が高いときには少しだけ購入でき、安いときにはたくさん購入できる仕組みです。長期間にわたって続けていけば、平均購入単価を抑えられます。

決まった日に機械的に購入する仕組みのため、投資初心者の方でも手堅く資産形成できます。

デメリット

長期間にわたる積立投資は相場が上昇し続けるときには、やや不利なのがデメリットです。早い段階で非課税枠を使い切る場合に比べると、得られる利益は少なくなってしまいます。

投資を始めてからあまり年数が経過していないうちは、元本があまり多くありません。株価が大きく上昇するような局面になっても利益を得るチャンスとして活かしにくいのも難点です。また、新NISAは現時点では無期限で利用できますが、将来的に無期限が撤廃される可能性もゼロとはいえません。無期限が撤廃されれば、1,800万円の枠をすべて使い切れなくなってしまうことも考えられます。

【新NISA】最速5年か長期どちらか迷ったときの考え方

非課税枠を5年で使い切るか、長期間にわたって使うか迷った場合には、以下の基準で投資の方向性を決めることをおすすめします。

ハイリスク=ハイリターン志向なら最速投資

リスクが高くても、大きな利益を狙いたいという考えの方には最速投資が適しています。5年で非課税枠を埋めれば、暴落で大きな含み損を抱えてしまう可能性がありますが、資金に余裕がある方にはおすすめです。資金に余裕があれば、含み損を抱えてしまったとしても、回復するまで待っていられます。
ただし、相場が天井付近のときにまとまった金額の投資をしてしまうと、回復するまでかなりの時間がかかりますし、戻らないこともあるかもしれません。最速投資をするなら、相場の値動きをある程度見極められることが望ましいです。
また、余裕資金で投資をしていても、含み益が大きく減ったり含み損になったりすると、慌てて売ってしまう方も珍しくありません。不利な局面でも落ち着いて構えていられる方でないと、最速投資は難しいでしょう。

リスクを抑えたいなら長期投資

できるだけリスクを抑えながら投資で資産形成をしたい方には、長期投資が向いています。
相場の予測はプロでも難しく、大半の方がこれから上がると考えるような局面でも、大きく下落することがあります。長期投資なら、短期的な値動きはあまり関係がないため、これから相場がどちらに動くのか予測できなくても問題ありません。投資を始めるタイミングにも影響されにくいため、特に初心者の方におすすめです。仮に相場が天井付近のときに始めたとしても、下がるたびに少しずつ買い増していけるため不利にはなりません。むしろ、平均購入単価を下げられるため、長期的に見れば下落が有利に働く場合もあります。

まとめ

新NISAにおいて、資金に余裕のある方やリスク許容度の高い方は、非課税枠を5年で使い切るのが有利です。しかし、投資初心者やリスクを抑えたい方、資金に余裕があまりない方には、5年で使い切る方法をおすすめできません。無理をせず長期的に非課税枠を少しずつ使っていくのが無難です。
どちらの方が自分に向いているのかよく考えた上で決めるようにしましょう。

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