【2024年から始まる新NISA】NISA改正のポイントを分かりやすく解説
2023.06.29 (木)
2022年12月16日に政府与党より「令和5年度与党税制改正大網」の発表があり、NISA制度の改正が発表されました。
今回はNISA改正のポイントについて学んでいきましょう。
NISA改正のポイントを確認!現行NISAと新NISAを比較してみよう!
2022年12月16日に自由民主党・公明党が公表した報告書「令和5年度税制改正大網」にて、税制面での「成長と分配の好循環の実現」を目的としたNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が発表されました。2024年から始まる予定の新NISAは2023年までのNISAよりも生涯投資上限枠や非課税保有期間などの制限が緩和される予定です。
NISAの刷新は「資産所得倍増プラン」の実現に向けた「貯蓄から投資へ」の流れを加速させることが背景にあり、若年層からシニア層に至るまで資産形成を継続的かつ安定的に行えるようNISAにおける利便性向上などを図ることとなっています。
2023年までの現行NISAと2024年からの新NISAの比較は以下の表の通りです。
ここからはNISA改正のポイントについて詳しく解説していきます。
NISA改正のポイント
ポイント①:NISAの適用期間が恒久化、非課税保有期間が無期限に
新NISAでは適用期間が恒久化されることで非課税保有期間が無期限になります。現行NISAでは、(ロールオーバーにより一部期間を延長することもできますが)つみたてNISA20年間、一般NISA5年間と、非課税保有期間が限られていました。
新NISAでは非課税保有期間が無期限になることにより、現行NISAよりもさらに長期での運用に適した制度になります。
ポイント②:つみたてNISAと一般NISAが一本化
現行NISAでは「つみたてNISA」か「一般NISA」どちらかを選ぶ必要がありました。これまで2つに分かれていたNISA制度ですが新NISAでは制度が一本化されます。
新NISAでは2種類の投資枠「つみたて投資枠」「成長投資枠」として運用ができます。そのため、新NISAではつみたて投資枠で毎月つみたて投資をしながら成長投資枠で日本株やアメリカ株への投資等もできるようになります。
ポイント③:年間投資上限額の引き上げ
現行NISAで年間投資上限額は「つみたてNISA」40万円、「一般NISA」120万円です。新NISAの年間投資上限額は「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」が240万円になります。
現行NISAと比較するとつみたて枠が3倍、一般投資枠が2倍と大幅に年間投資上限額が引き上げられていることが伺えます。
ポイント④:生涯投資上限額の拡大
現行NISAには生涯投資上限額といった概念はありませんでしたが、つみたてNISAが40万円×20年間=800万円、一般NISAが120万円×5年間=600万円が実質的な上限額でした。新NISAの生涯投資上限額は2つの投資枠合わせて1,800万円までと大幅に拡大されます。(成長投資枠は1,200万円まで)
現行NISAは買付時点で枠を消費するため、仮に途中で売却したとしても限度額が増えることはなかった点なども踏まえると、新NISAの良さが伝わるかと思います。
2024年以降、現行NISAはどうなる?
これまでは現行NISAと新NISAについて比較をしてきました。NISAが投資家にとってより良い制度になることを感じていただけたでしょうか?ではここからは新NISAが始まった後の現行NISAについて確認していきましょう。
現行NISAと新NISAを一緒に利用するメリットはある?
2023年までの現行NISA(一般NISA・つみたてNISA)については2023年末で買付は終了となりますが、新NISAとは別にそのままNISA枠で保有することが可能です。
2024年以降、現行NISAと新NISAは別物として管理されるので、新NISAが始まるまでに現行NISAを使って投資しておくことにより並行して新旧2つのNISAの非課税枠を利用できます。
2024年以前にNISA口座を開設してもよいのか?
新NISAを待たずに、2023年のうちからNISAで投資を始めるのも一つの方法です。
つみたてNISAは少額から始めることができ、非課税期間も20年間と長いです。2023年は練習期間と位置付けて、無理なく捻出できる金額でスタートし、NISAについての理解を深めて、2024年から本格的にNISAを使って投資してもいいかもしれませんね。
新NISAで成長投資枠を活用するなら証券会社でNISA口座開設がおすすめ!
現行NISAの口座を持っていれば、2024年以降新NISAの口座は自動で開設されます。しかし、現行NISAの口座を開設している金融機関によっては、NISA口座の変更を検討したほうがいい場合もあります。
現行NISAは、一般NISAか、つみたてNISAのどちらかを選ぶ方式なので、株式の取り扱いがない銀行でNISA口座を開設しても、特に問題はありませんでした。しかし、新NISAでは、投資信託やETFの積立ができる「つみたて投資枠」と、株式などが買える「成長投資枠」を併用できるようになります。銀行でNISA口座を開設していると成長投資枠で株式等を購入することができません。少しでも株式への投資を検討している場合は証券会社にNISA口座を移管しましょう。
金融機関の変更を検討している場合は2023年のうちに済ましてしまいましょう。2024年の口座変更は、2023年10月から受付が開始します。2023年にNISA口座で一度も取引していない場合は、すぐにNISA口座の移管手続きが可能です。
まとめ
新NISAは制度が恒久化され年間投資上限額や生涯投資上限額が大幅に拡大されます。また、2つの投資枠の併用が可能になるのでこれまで現行NISAのつみたてNISAで運用をしていた方も株式投資を始める絶好のチャンスだと思います。
新NISAについて事前にしっかりと学んで賢く資産形成をしていきましょう。
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