ザ 語源 第37回 ハト派とタカ派
2024.08.05 (月)
ハト派とタカ派
日本銀行は7月末に開かれた金融政策決定会合で政策金利を0.25%に引き上げました。日銀の金融政策は「ハト派」から「タカ派」路線に転じたとマーケットでは捉えられています。
米国のFOMCや日本銀行の金融政策決定会合のメンバーのうち、景気拡大を重視した金融緩和的な政策指向の人たちのことを「ハト派」と呼びます。「ハト派」は景気への配慮を重視し利上げには慎重、利上げによる景気後退を回避する金融政策を支持します。
一方、多少景気の鈍化が想定されても、物価の安定を重視し利上げなど金融引き締めを辞さないとする人たちのことを「タカ派」といいます。
「ハト派」と「タカ派」はもともと国家間の外交手段など政治的傾向を種別する表現として使われ始めました。「ハト派」は外交において穏健的な対応を続け、平和を優先する集団やグループを表し、「タカ派」は国家間の問題に対し最終的には武力行使もいとわない強硬派を表しています。
「ハト(鳩)」の平和でおとなしいイメージ、「タカ(鷹)」などの猛禽類の強硬なイメージから金融政策の方向性や姿勢でも「ハト派」「タカ派」が使われるようになったと考えられます。
「平和維持」かまたは「武力解決」か、という決断と同様に「緩和継続」かまたは「利上げ」か、という決断は経済の先行きに影響を及ぼす重要な選択なのです。
※本記事で解説する内容について、実際の言葉の成り立ちや、一般的とされる説と異なる場合がございます。
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