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亜州潮流 インドネシア再訪 ~新首都ヌサンタラはフォレストシティ(森林都市)~

2024.06.24 (月)

アイザワ証券 市場情報部

今井 正之

亜州潮流 インドネシア再訪 ~新首都ヌサンタラはフォレストシティ(森林都市)~

インドネシア再訪 ~新首都ヌサンタラはフォレストシティ(森林都市)~

インドネシアは世界第4位、イスラム圏では世界最大の人口大国である。またジャカルタ首都圏は3000万人超の人口を抱え、東京に次ぐ世界第2位の経済圏といわれる。5月中旬に新型コロナ後のインドネシアを初訪問した。久しぶりのジャカルタは、相変わらず排気ガスによる大気汚染や近隣まで1時間かかる事はザラな交通渋滞など以前と変わらない都市課題を残しつつも、改善の兆しも見えている。例えば、新型コロナをきっかけにジャカルタ市民の健康意識が高まり、外出時やバイクを運転する際にマスクを着用する市民が増えた事や、ジャカルタ中心部の大通りに地下鉄やバス専用レーンが設置され、高速道路の環状線が延伸されるなどの対策により渋滞の程度は10年前のよりわずかに改善している様に思われた。

逆に変わっていないと感じた点は、きらびやかな夜の街並みや道行く人々の活気からは、90年以前の経済が成⾧していた頃の東京を彷彿とさせる。年々増加していくコンビニエンスストアや、今回しばしば見かけた警察による交通違反の取締りの強化は往時の東京を知る日本人からは重なって見える点といえる。

そんなジャカルタでは洪水が問題となっている。約10年前、2013年の訪問時は雨季に該当し、ジャカルタ北部の街並みが水に浸かるのを見かけた。気候変動の影響による天候災害の激甚化も背景にあるが、最大の要因は過剰な地下水の汲み上げによる地盤沈下が原因とされ、場所によっては過去25年間で約5メートルも沈下した模様である。

インドネシア政府は、渋滞や地盤沈下による洪水対策として首都をジャワ島からカリマンタン島(ボルネオ島)に移転する計画を進めている。新首都はヌサンタラと名付けられ、今年中に大統領宮殿の移転や一部の公務員の移住が予定されており、下の画像は5月中旬にヌサンタラの建設現場を視察した際に撮影した。まことに気宇壮大な計画ではあるものの、今しばらく時間を要しそうな模様である。

※写真はすべて筆者撮影

※「亜州潮流」は、アジア新興国のトレンドを解説したコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。

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ライター

今井 正之

アイザワ証券 市場情報部

今井 正之

国際公認投資アナリスト(CIIA)・CFP・一級FP技能士。ベトナムをはじめとするアジア新興国市場の分析を担当。豊富な現地調査経験に基づいた独自の視点から、投資家の皆様にベトナム株を紹介。現在、都内でテレビ放送中、株式情報番組『ストックボイス 東京マーケットワイド』にレギュラー出演、毎週火曜日13:30より『アジアレポート』と題して『ベトナム株』を紹介(番組はインターネットでもご視聴頂けます)。

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