亜州潮流 上海で実感した変貌ぶり
2025.01.27 (月)
上海で実感した変貌ぶり
[写真: 上海 中心部の夜景 ]
12月中旬に出張で約20年ぶりに上海を訪れた。前回訪れたのはまさにこれから不動産バブルを迎える時期の2003年、今回はバブル崩壊直後となる。久しぶりに訪れた上海の状況をレポートしたい(文中の写真はすべて筆者撮影)。
上海市内はEV(電気自動車)やPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)などのNEV(新エネルギー車)が普及している。NEVのナンバープレートは緑色で内燃エンジン車と見分けがつくため、街を走る車の半分以上はNEVという印象だ。メーカーもBYD(香港:1211)の他に、見たこともないロゴの現地メーカーの車が走っている。中国のEVメーカーは100社超と多く、異業種からも参入している。
[写真:シャオミの店内]
大手スマホメーカーのシャオミ(香港:1810)の店頭には、スマホと共に「SU7」というEVが展示されていた。車がEVにシフトしているだけでなく、運転マナーも良くなっていると感じた。特に信号のある横断歩道では、歩行者が渡り終えるまで車は停止していた。20年前は道路の真ん中でUターンや方向転換は当たり前だった記憶があるが、今回はそのような場面には遭遇しなかった。市内にはバイクも多いがほぼ電動で、ベトナムのような排気ガスや排気音はない。そして街中のいたるところに黄色やブルーのシェアサイクルがある。中国では大気汚染対策からシェアサイクルによる移動を推奨しており、歩道のほとんどがその置き場となっている場所もある。
[写真:街中のシェアサイクル ]
また20年前に比べショッピングモールと高級ブランドショップが格段に増えた印象だ。ちょうどクリスマスシーズンだったため、どのモールにも巨大なクリスマスツリーが置いてあった。しかし不動産バブル崩壊の影響か、ブランドショップ内に買い物客はまばらだったように見えた。モールの地下は日本の「デパ地下」と同じように食品売場や飲食店があり、日本のそれと変わらない。今回の出張は上海だけだったので、地方都市の状況はわからないが、上海だけで見るとあらゆる面で東京やシンガポールと遜色ないと実感した。
※「亜州潮流」は、アジア新興国のトレンドを解説したコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。
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