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アジア株週間トピックス 2022年4月4日号

2022.04.04 (月)

アイザワ証券 投資顧問部

明松 真一郎

アジア株週間トピックス 2022年4月4日号

ベトナムの2022年1~3月は5.03%

ベトナムは2022年1~3月期GDP成⾧率を発表

3月29日に、ベトナムは2022年1~3月期GDP成⾧率を発表した(厳密には期間が終わっていないが、ベトナムは他の月次の統計データを含め、期間終了前に発表するケースが多い)。結果は前年同期比+5.03%であった。前四半期の+5.22%よりも低かったとはいえ、新型コロナウイルスの感染者増、ロシアウクライナ問題、世界なインフレの進行など、問題が山積みの中で、おおむね高成⾧と評価できる。ワクチン接種率や完治者数などからみても、ベトナム経済は、「ゼロコロナ」から「コの共存・共生」政策への転換が着実に進みつつあるといえよう。実際、3月15日からは、海外からの旅行者受け入れを解禁、海外への観光も積極的に奨励する方針を示した。観光需要の回復も、ベトナム経済にとって追い風となっている。

3月のCPIは+2.41% に

インフレへの警戒感強まる

好調な経済状況の一方で、懸念されるのがインフレだ。GDP成⾧率と同じく3月29日には、3月のCPIが発表されたが、前年同月比+2.41%であった。他国の水準などと比較して、極端に高いわけではないが、決して楽観はできない。これまで以上に、今後の推移を注視しておく必要があると思われる。次回、4月のCPIは4月25~30 日に発表される予定で、他国の状況と併せて、ベトナムのインフレ動向も注視していきたい。

ベトナムはデジタル改革を本格化

ベトナムのIT関連事業投資は今後本格化か?

3月29日には、NTTがベトナム・ホーチミン市にて、データセンターを設立すると発表した。ベトナムでは、ハノイに続く2か所目の拠点となる。国内外の有力IT企業からの投資を拡大させているのが、ベトナムIT 市場拡大に対する期待の高さだ。世界的に、省力化、IT 技術、ビッグデータの有効活用などが急務となっているが、ベトナムでも例外ではない。実際、ベトナム中銀が公布しているいくつかの首相決定をみると、「2025年までに、公共サービスを100%オンライン化する」など、IT関連の目標設定が目立つ。官民がタッグを組んで市場強化を後押ししており、関連企業が恩恵を受けそうだ。

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ライター

明松 真一郎

アイザワ証券 投資顧問部

明松 真一郎

1990年平岡証券(現アイザワ証券)に入社。加古川支店でのリテール営業を務めた後、ディーリング部、営業本部、生駒支店でのバックアップ部門などを経験。2005年に証券アナリスト資格取得したことを機に、市場情報部(当時投資リサーチセンター)に異動。アセアン株を中心としたアジア株の調査、分析を行う。その経験を経て、現在は投資顧問部に所属。

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