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コラム

【ベトナムでツナガル】ヌクマムを日本の家庭に・ 一般社団法人 日本ベトナム料理協会(東京)

2024.03.22 (金)

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アイザワ投資大学 編集チーム

【ベトナムでツナガル】ヌクマムを日本の家庭に・ 一般社団法人 日本ベトナム料理協会(東京)

日本とベトナムを料理でつなぐ、超えていく。

近年人気が高まっているベトナム料理。一般社団法人日本ベトナム料理協会は、そのベトナム料理を通じて日本とベトナムをつなぐ活動をしている。ベトナム料理の魅力とは何だろうか。今回は代表理事の鈴木珠美さん、理事の竹田理紀さんに話をお伺いした。

ベトナムにあったオリジナリティ

代表理事を務める鈴木さんは都内で20年以上、ベトナム料理店を営む。

もともとはフードコーディネーターとして活動していたが、と同時に料理研究家という仕事に憧れていた。当時、料理研究家の有本洋子さんの『わたしのベトナム料理』を読んだという鈴木さん。その素敵なベトナム料理、器のコーディネートに衝撃を受ける。

さっそく会社の有休を使い、ベトナムホーチミンでの料理体験ツアーに参加。するとベトナム料理の美味しさに見事ハマり、本格的に料理留学することを決意したという。誰にも負けないオリジナリティを求めていたという鈴木さん。全てが初めての味だったベトナム料理。その全てを知りたい!単身ベトナムに飛び込んでいった。

みんなが料理の師匠

鈴木さんの料理留学は2年に及んだ。それは驚きと発見の日々だったという。

料理のさしすせそが通じなかった。鈴木さんは当時を振り返る。南部のメコンデルタ地域では、エレファントイヤーフィッシュ(象耳魚)に出会った。それまでは魚はお皿に寝ているものだと思っていた鈴木さん。しかしその魚は皿の上に立っていたという。カラッと揚げられた象耳魚は、大根に刺さった割りばしの支柱に支えられ、地元の野菜に彩られたそう。鈴木さんはその料理の見せ方に感動。さらに身をほぐして野菜と一緒にライスペーパーでいただく、巻き巻き文化にも大いに感銘を受けた。

エレファントイヤーフィッシュ(象耳魚)

エレファントイヤーフィッシュ(象耳魚)の姿揚げ

鈴木さんの共著「ベトナム料理は生春巻きだけじゃない」ベーシックからマニアックまで おいしいレシピ88(柴田書店)より

 

南のホーチミンと北のハノイにそれぞれ滞在した鈴木さん。その学びは手探りであったという。美味しい屋台があると聞けば通訳を連れて話を聞きに行き、料理上手の地元のお母さんがいれば教えてもらいに飛んで行った。鈴木さんは「みんなが料理の師匠でした」と当時を振り返る。さらに日本にベトナム料理を持ち帰るために、ベトナムの食材辞典を作成した。

ベトナム留学時代は、日々の会話でも「元気?」と言われるよりも「ごはん食べた?」と言われることが多かったという。すれ違いの挨拶でも「昼ごはん食べた?」、食べていないと言うと、これを食べていきなさいと食べ物を持たされたそう。鈴木さんは人々の生活に食が大きく根差していることを実感した。

留学時代に作成した食材辞典はのちに出版化された

ベトナム留学時代に作成した食材辞典はのちに出版化された。「越南勉強帖」(ピエ・ブックス)

 

「家庭に1本、ヌクマムを」

自分がベトナム料理からいただいた感動。ベトナム愛を伝播するために料理教室を開いた鈴木さんは、さらにベトナムと日本の距離を縮めるために何かできることはないかと思うようになった。一人ひとりへの伝播からより大きな繋がりへ。日本とベトナムを料理で繋ぐ日本ベトナム料理協会を設立した。協会の設立当初から活動を伴にする理事の竹田さんもベトナム料理に魅せられた一人だ。

食からベトナムと日本の共通概念を作っていきたい。『ヌクマム』は、そのカギになると竹田さんは語る。

ヌクマムとは何だろう。ヌクマムは魚醤の一種だ。独特な香りが食欲をそそり、その可能性は多様だ。

竹田さんは言う。料理が上手になりたい人は是非1本手に入れてほしいと。

先日竹田さんは自宅でトマト料理を作ったそうだが、その美味しさに家族からどうやって作ったの!と聞かれたという。「決め手はヌクマムでした」と竹田さんはにんまり。

ヌクマムについて、鈴木さんも語る。料理の味が決まらないという時があると思う。けれど、そういう時にヌクマムを使えば、味が決まってくる。ヌクマムは濃いお魚の出汁でもあり、塩でもあるという。「日本のお母さんたちを助ける調味料になるのでは」と鈴木さんは投げかける。ヌクマムの組み合わせは無限大、カレーの隠し味や空揚げ、トマトパスタにも合うそうだ(話を伺っていた筆者もお腹が減ってきてしまった)。

日本ベトナム料理協会の鈴木さん(左)と竹田さん(右)

日本ベトナム料理協会の鈴木代表理事(左)と竹田理事(右)

 

協会として、今年は「知る・広める・深める」を念頭に、さらにヌクマムの家庭への普及、ベトナム料理ファンを広げていくという。さらに協会では家庭でベトナム料理が楽しめるように、ベトナム家庭料理の教科書の作成を進めているそうだ。

鈴木さんは、自分が現地で食べたもの、美味しいと思うものを組み合わせて自分流にアレンジして新しい料理を生み出すことに楽しさと感じている。麻婆豆腐のようにベトナム料理が日本の食卓に並ぶことを目標に見据える。

ヌクマムが家庭に1本ある日常は、すぐそこなのかもしれない。

 

ヌクマムを日本の家庭に

 

【 団体情報 】

名称  :一般社団法人 日本ベトナム料理協会

住所  :〒106-0031 東京都港区西麻布4-4-12-2F

設立  :2022年11月1日

メールアドレスinfo@nuocmam.jp

ホームページ https://nuocmam.jp/

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