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【今月のたけぞう氏ピックアップテーマ】次の産業革命間近か 量子コンピュータ関連銘柄5選

2025.04.28 (月)

個人投資家

たけぞう

【今月のたけぞう氏ピックアップテーマ】次の産業革命間近か 量子コンピュータ関連銘柄5選

2025年2月、国の研究機関である分子科学研究所や日立などは新型の量子コンピュータを2025年中に稼働すると発表しました。国内初となる原子を使う方式で、世界でトップ水準の性能になるとされています。

量子コンピュータの開発が進み、実用化に至れば、現行方式では解けない複雑な計算も素早く処理できるようになり、創薬や材料開発、金融などの幅広い産業分野において、革新的な進歩をもたらすと考えられています。経済産業省は最先端の量子コンピュータの技術開発や産業育成におよそ1,000億円を拠出すると2月に公表しています。
量子コンピュータには様々な方式があり、依然として本命が定まっていない状況です。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOなどは早期実用化に懐疑的な見方を示す一方で、グーグルやアマゾンが最大の課題であった計算エラーを訂正する新型チップを開発したとの報道もあり、今後注目されるセクターになりそうです。

そこで今回は量子コンピュータ関連銘柄を紹介します。

富士通(6702)

2023年10月に、64量子ビットの超伝導量子コンピュータと40量子ビットの量子コンピュータシミュレータを連携し、最適な量子計算を可能にするハイブリッド量子コンピューティングプラットフォームを開発しました。金融や創薬をはじめとする様々な分野の共同研究を行う企業などに提供しています。2025年4月22日に、この超伝導量子コンピュータの開発技術をベースに世界最大級(※)となる256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発したと公表しました。
また2024年8月に、同社は大阪大学と共同で量子コンピュータの計算素子「量子ビット」を高精度で操作し、効率的に使える技術を開発しました。新技術により、現行で約5年かかる物質のエネルギー推定計算をわずか約10時間で実行可能になることが示されており、量子コンピュータの早期実用化への道筋を確立させたとしています。

※2025年4月現在、富士通調べ

フィックスターズ(3687)

2017年に日本で初めてアニーリング方式の量子コンピュータを商用提供しているD-Wave Systems社と提携しました。2021年以降は、量子アニーリングクラウドプラットフォームFixstars Amplifyにて、量子アニーリングと相互運用できるGPUベースの高性能な計算基盤を提供しています。
2024年11月に理化学研究所やNTTなどとの共同研究グループで、光方式による新型量子コンピュータを開発しました。光方式では、従来の量子コンピュータと比べて高速かつ大規模な量子計算が可能になると期待されています。

KDDI(9433)

2024年11月、量子コンピュータ向けアルゴリズムおよびアプリケーションソフトウエアを開発・提供する株式会社QunaSysに出資する事を発表しました。QunaSysは量子コンピュータ技術の産業応用を推進する先進的な研究開発を行う企業です。
同社およびKDDI総合研究所、 Jij、QunaSys、早稲田大学は2025年2月、量子コンピュータの技術開発と事業化に関するパートナーシップ締結に合意しました。量子計算の組合せにより普及が進むAIの性能を大きく向上させるため、AIと量子計算をシームレスにつなぐAI・量子共通ビジネスプラットフォーム等を開発し、量子コンピュータの事業化に向けた具体的な取組みを進める予定です。

テラスカイ(3915)

グループ子会社に量子コンピュータのアルゴリズム、ソフトウエア研究開発を行う株式会社Quemixをかかえています。

Quemixは2024年11月にSCSKと量子コンピュータの社会実装に向けた研究開発の加速を目的に資本業務提携を締結しました。両社は、材料計算分野での量子コンピュータの早期実現と革新的なソリューション提供を通じて、社会課題の解決に貢献することを目指します。
また2025年3月、Quemixは旭化成、東京大学、量子科学技術研究開発機構と連携した研究グループにおいて、世界で初めて量子コンピュータ実機上での、FTQC向けアルゴリズムの実行予測に成功しました。

アルバック(6728)

大阪大学などと日本製の部材のみを使って開発した初の純国産量子コンピュータを2025年8月に開催される大阪・関西万博での企画展「エンタングル・モーメント[量子・海・宇宙]×芸術」に出展します。

現在日本で稼働する3台の量子コンピュータには海外製造品が一部使用されており、「純国産型の量子コンピュータ」の開発が望まれていました。今回初めて国産化に成功したのが、量子ビットを含めた装置全体を冷却する量子コンピュータ向けの特殊な大型冷凍機で、アルバックは連結子会社のアルバック・クライオなどと共同で量子コンピュータ向けの冷凍機を開発しました。

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ライター

たけぞう

個人投資家

たけぞう

1988年に証券会社へ入社し約30年間勤務。 東京証券取引所において、4年間の“場立ち”を経て20年間以上証券ディーラーとして活躍。多い時には約10億円の資金運用を託され、重圧と戦いながら約50億円の収益を上げる。 現在は個人投資家である傍ら「誰にでも、わかりやすく」にこだわりラジオ、セミナーなど多くの舞台で投資手法を伝え、一人でも多くの投資家が株で収益を上げられるように日々活動を行っている。 特にメルマガは午前4時前に起床し国内の主なニュースや株価に影響のある記事を新聞4~5誌からまとめ、早朝に終わるNY市場の動向も配信している。毎朝スペース、インスタライブで直近の相場の振り返りを配信。 X(旧Twitter)のフォロワー数は、約23万人。30年間の経験に基づいた豊富な金融知識が強み。

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