相続
相続通信 第53回 遺産分割をやり直したら
2021.02.21 (日)
Q 遺産分割のやり直しは相続税の申告の修正が必要?
遺産分割協議書を作成し、相続税の申告納税を済ませました。その後すぐ、私が相続した土地の中に相続後に価値が急騰するものがあり、兄弟から遺産分割のやり直しを求められ、それに応じました。この場合、相続税の申告書の修正を行えばよいのですか?
A 相続税の修正は必要なく、贈与税・所得税が課税されます。
相続人全員の合意があれば遺産分割のやり直しが可能です。
ただし、相続税では最初の遺産分割の効力は失われず、相続人が一度財産を取得したものとされます。したがって、遺産分割のやり直しは、その取得した財産を贈与または譲渡したものと考えます。
解説
遺産分割のやり直しによって財産を受けることとなる相続人は、無償で受け取った場合には贈与税が、財産を交換した場合には交換した財産の価値の差額について所得税が課税されます。
なお、当初の遺産分割協議に不備があり分割自体が無効となる場合は、贈与などに該当しないケースもあります。
遺産分割のやり直しは相続税に加え、贈与税あるいは所得税が課税される可能性があります。それをふまえた上で、遺産分割のやり直しを検討する必要があります。