アジア株週間トピックス 2022年8月29日号
2022.08.29 (月)
フィリピンは0.5%の利上げを決定
フィリピンは今年4回目の利上げを発表
フィリピンは8月18日に定例の金融政策委員会を実施、0.5%の利上げを発表した。5月、6月、7月に次いで今年4回目の利上げで、利上げペースをかなり加速させているという印象です。フィリピン当局が利上げの主な理由に挙げているのが、インフレと通貨安です。
通貨安とインフレへの警戒も
8月5日に発表された7月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比6.4%の上昇と、2018年10月以来のインフレ状態となっているほか、また、直近史上最安値近辺で推移している通貨フィリピンペソの動向も懸念材料です。通貨安は輸入インフレにつながりやすく、政府当局も警戒しています。インフレ・通貨安・利上げと悪材料が多い中で、フィリピンは当面難しい政策運営を余儀なくされそうです。
インドネシアも利上げを決定
インドネシアは約3年8か月ぶりに利上げを決定
8月22日に実施された金融政策委員会で、インドネシアは政策金利の引き上げを発表しました。インドネシアの政策金利はこれまで史上最低レベルの3.5%で据え置れていましたが、このたびは約3年8か月ぶりに0.25%引き上げ、政策金利は3.75%となりました。
8月10日にはタイが政策金利を史上最低金利から引き上げると発表しましたが、とうとうインドネシアも史上最低水準から脱却したことになります。以前よりインドネシア政府当局は国内のインフレや通貨の動向に対して強い警戒感を示しており、今後も引き締め気味の金融政策が実施されそうです。金融引き締め基調の中で経済成⾧を維持していけるか、今後のインドネシア政府のかじ取りが注目されます。
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