ベトナム現地情報2022年9月号より 企業紹介 ビンズオン上下水道環境
2022.10.03 (月)
ビンズオン上下水道環境(BWE:Y5718)
2017年8月~2022年8月 ビンズオン上下水道環境 株価推移
ビンズオン上下水道環境(以下BWE)は、1975年に設立されたベトナム南部のビンズオン省を拠点とする総合環境サービス企業です。同社は上下水の処理供給(製造業、サービス業、住宅向け)、廃棄物処理を主力事業としています。特に地元であるビンズオン省では都市地域と農村地域(70%)で高いシェアを誇っています。同社が拠点とするビンズオン省はベトナム屈指の工業地帯でもあり、特に海外企業による海外直接投資(FDI)が盛んに行われています。投資金額は毎年ベトナム全体で上位となっていますが、今年は7月に全国首位となりました。
2022年第2四半期の決算は底堅い数字となりました。売上高は前年同期比9%増の8,470億ドン、純利益は同24%増の2,110億ドンでした。一般の家庭やサービス業、そして製造業向けにもサービスを提供しており、同社の大株主には地元ビンズオン省の工業団地の開発企業であるBecamex(BCM)が名を連ねています。
基本データ (8月末時点)
2021年の売上高構成比
売上高・純利益
ちょっと深掘り☞ビンズオン省の可能性
ここでBWEが拠点を置くビンズオン省について少し触れてみましょう。
ビンズオン省は南部最大の都市、ホーチミン市に接する省です。
タンソンニャット空港までは省の中心部から車で約1時間とアクセスが良く、魅力的な立地となっています。同省の人口はおよそ260万人で、同じ南部のドンナイ省(約316万人)とともにホーチミン市(約916万人)を中心とした一大経済都市圏を形成しています。
特に近年の人口増加率は目覚ましく、2011年から2021年までの平均増加率は全国平均の1.2%を大きく上回る4.6%となっています。また平均月収は全国平均(235万7,000ドン)を大きく上回る498万5,000ドンと全国トップの高水準です。このように発展著しいビンズオン省は近年、省から政府の「中央直轄市」への格上げの話が出ています。
そしてビンズオン省で有名な企業と言えば、Becamex(BCM)が挙げられます。同社はビンズオン省を中心に工業団地、都市開発を手掛けており、日本の東急グループとは合弁企業「BECAMEX TOKYU」を設立し、ビンズン新都市で住宅、商業施設などの開発を行っています。
このようにホーチミン市に近く、人口増加が続くビンズオン省は南部ベトナム経済の要となっており、その都市インフラサービス(上下水道サービス、ごみ処理サービス)を提供するBWEは、中長期的に成長の恩恵を受けるものと思われます。さらにBWEはカントー市を始めとする周辺都市の水道企業への投資も進めています。
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