アジア株週間トピックス 2022年5月23日号
2022.05.23 (月)
タイの2022年1~3月期GDP成⾧率は+2.2%
5月12日のフィリピンに次いで、17日にタイが2022 年1~3月期GDP成⾧率を発表しました。結果は前年同期比+2.2%と2四半期連続のプラス成⾧で、市場予想(+1.7%)前四半期(+1.8%)ともに上回りました。まだ不安定ながらタイの景気回復は着実に進みつつあるといえます。なお、直近は多くの国で利上げするケースが増えていますが、そのなかでタイ中銀は政策金利を0.5%と過去最低水準を維持しています。金融緩和姿勢の継続は、同国経済の景気回復を後押ししているといえるでしょう。
インフレ、今後の金融政策に注目
とはいえタイ経済は順風満帆というわけではありません。年明け以降タイではインフレが顕著になっており、直近5月5日に発表されている4月のCPIは、前年同月比+4.65%でした。今後、6月6日には5月のCPI発表、6月8日の金融政策決定会合と重要なイベントを控えており、当面の発表内容が注目されます。特に、タイ中銀は物価の抑制、通貨バーツの安定を最も重視しており、今後金融引き締めに転じてくる可能性が高いと思われます。同国が景気本格回復を目指していく上で、インフレ動向と金融政策が重しになりそうです。
フィリピン新政権へ 期待高まる
フィリピンの今後の展望
5月9日に実施された大統領選挙では、事前予想通り、大統領:マルコス氏、副大統領:サラ氏がともに大差で勝利しました。選挙戦を大差で制したこと、上院選においてマルコス陣営の候補が多数当選したことは、今後の新政権の安定につながるとみています。また、マルコス新大統領はおおむね前政権の政策方針を引き継ぐ方針を示しており、新政権移行後も大きな変化はないと思われます。そのほか外交の面では、マルコス新政権は米国との関係にも配慮する姿勢を示しました。ドゥテルテ前政権よりもバランスの取れた外交が期待できそうです。
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