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今月のたけぞう氏ピックアップテーマ 日本のコンテンツ産業から見るIP(知的財産)関連銘柄

2024.12.26 (木)

個人投資家

たけぞう

今月のたけぞう氏ピックアップテーマ 日本のコンテンツ産業から見るIP(知的財産)関連銘柄

2024年を振り返り印象に残った出来事は3月に日経平均株価が初の4万円台をつけたことです。その後、8月5日には4451円28銭下落、過去最大の下落幅を記録しました。1987年10月20日に記録したブラックマンデー時のマイナス3836円48銭を一気に塗り替えました。日本市場は辰年らしいボラティリティの激しい相場展開となりました。

一方、米国市場は12月に入りS&P500やナスダック(NASDAQ)指数が過去最高値を更新するなど非常に堅調な動きとなりました。エヌビディアの時価総額は、アップルとマイクロソフトに次いで3兆ドルを突破しました。また、ブロードコムも時価総額が1兆ドルを突破し、大きく成長する企業が散見され日本市場との温度差を感じました。来年はトランプ政権が始動します。前回のトランプ政権時のナスダック指数は約140%上昇しています。来年も米国中心の株式市場となりそうですが、日本市場も東証の抜本的な改革やその他市場にプラスとなる材料を背景に飛躍してほしいと強く願っています。

2025年注目テーマ『半導体・鉄鋼産業に匹敵する日本のコンテンツ産業』

今回は2025年期待できるテーマについて紹介したいと思います。

国内のみならず海外からも非常に高い人気を集めているコンテンツ産業です。
2024年9月、政府は「コンテンツ産業官民協議会」と「映画戦略企画委員会」で初の会合を開きました。内閣府が策定した資料によると、世界のコンテンツ市場の規模は石油化学産業や半導体市場よりも巨大です。海外への日本発コンテンツの売上高は年間約4.7兆円(2022年実績)で、半導体や鉄鋼産業に匹敵する規模です。政府は2033年までに日本発コンテンツの海外市場規模を20兆円に押し上げる目標を掲げています。
また、経団連は2024
年10月に漫画やアニメ、映画、音楽などのコンテンツ産業の育成に向けた政策提言を発表しました。現在は数百億円程度の政府の関連予算を早期に2000億円以上へ増やすよう訴えています。

先述の通り、海外からも日本発のコンテンツには熱視線が注がれています。日経新聞の報道によると、サウジアラビアeスポーツ協会会長を務めるファイサル・ビン・バンダル王子は7~8月に開催された、eスポーツ・ワールドカップを契機に「世界のゲーム会社をサウジに誘致する」と述べました。日本企業が有するコンテンツが世界的に注目されていることがわかります。

そこで注目企業を紹介します。

注目のIP関連銘柄

ソニーグループ(6758)

12月にKADOKAWA(9468)と資本業務提携の契約を締結したと発表しました。KADOKAWAの第三者割当増資をソニーグループが引き受けます。ソニーグループは取得済みの株式と合わせてKADOKAWAの株式の約10%を保有する筆頭株主となる見通しです。両社は同資本業務提携を通じて、保有するIP価値のグローバルでの最大化に向けた連携をさらに強化し、コンテンツ領域において共同出資の検討やクリエイターの共同発掘、両社のIPのメディアミックスの共同推進などに取り組むとしています。

東映アニメーション(4816)

東映系アニメ製作の老舗企業です。今年10月に発表した決算では、2025年3月期の上半期の経常利益が前年同期比23%増益となり、映画「THE FIRST SLAM DUNK」、「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」などの国内映像配信権販売が好調でした。また、今年3月にサウジアラビアでの人気漫画「ドラゴンボール」のテーマパーク建設構想を発表しました。ドラゴンボールのテーマパークは世界初で、東京ドーム10個分にあたる広さを計画しています。建設費などはサウジアラビア側が負担し、同社はライセンスを供与します。

サンリオ(8136)

キャラクター商品の企画と販売を手がける企業です。「ハローキティ」などの版権ビジネスも行っています。11月に発表した2025年3月期の業績予想及び配当予想を上方修正しました。

人気キャラクター、ハローキティは今年50周年を迎え、キャラクターのライセンス事業は、アメリカや中国を中心に好調に推移しています。主力テーマパークのサンリオピューロランドの入園者数も海外からの旅行客を取り込みながら好調です。

日本テレビホールディングス(9404)

11月に発表した2025年3月期第2四半期決算は営業利益211億4100万円(前年同期比25.9%増)でした。シリーズ累計発行部数3,800万部突破の大人気作品「薬屋のひとりごと」、2023年10月から放送された第1期は、放送直後から大きな話題を呼び、老若男女幅広い世代から愛された作品です。2025年には第2期の放送が決定しています。
また国内では多くの人に馴染みのある「はじめてのおつかい」の人気も拡大しています。Netflixで世界配信されたのを機に各国で話題沸騰となっています。IP(知的財産コンテンツ)を使った大型イベントの開催も決定しています。

カプコン(9697)

シリーズ最新作の「モンスターハンターワイルズ」を2025年2月28日(金)に世界同日発売する事を公表しています。今年5月に「モンハン」シリーズが累計販売本数1億本を突破、「モンハンワールド」は今期だけで280万本販売している人気シリーズです。

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ライター

たけぞう

個人投資家

たけぞう

1988年に証券会社へ入社し約30年間勤務。 東京証券取引所において、4年間の“場立ち”を経て20年間以上証券ディーラーとして活躍。多い時には約10億円の資金運用を託され、重圧と戦いながら約50億円の収益を上げる。 現在は個人投資家である傍ら「誰にでも、わかりやすく」にこだわりラジオ、セミナーなど多くの舞台で投資手法を伝え、一人でも多くの投資家が株で収益を上げられるように日々活動を行っている。 特にメルマガは午前4時前に起床し国内の主なニュースや株価に影響のある記事を新聞4~5誌からまとめ、早朝に終わるNY市場の動向も配信している。毎朝スペース、インスタライブで直近の相場の振り返りを配信。 X(旧Twitter)のフォロワー数は、約23万人。30年間の経験に基づいた豊富な金融知識が強み。

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