3分でわかる市場のしくみ ベトナム 市場開放への道
2020.09.23 (水)
フロンティアから新興国へ
ベトナムでは目下、証券市場改革が進められています。
政府は2025年までのMSCI新興国指数*への組み入れを目標に定めました。
*MSCI新興国指数とは、MSCI社が算出する新興国24ヵ国の中大型株からなる株価指数で、
現在ベトナムはその下のカテゴリーであるMSCIフロンティア指数に組み入れられています。
しかしそのためには、外国人投資家への市場開放が不可欠です。
ベトナムは外国人持ち株比率規制が厳しいこともあって、ベトナムの急成長に見合うだけの外国人投資家の参入が行われていないのが現状です。
そして社会主義国であるベトナム、そう簡単に規制を撤廃、という訳にもいきません。
ある程度自国の企業をコントロールしたい、でも市場開放は進めたい、そんなジレンマの中議論されているのがNVDRの導入です。
NVDRとは
Non-Voting Depository Receipts
議決権なし預託証券の略称です。
NVDRは株式を裏付けに発行される証券です。
基本的には株式と同じように取引ができ、配当をもらう権利もあるのですが、その名の通り、議決権がありません。
経営権を外国人に渡したくないベトナム政府や企業にとっては、たとえ外国人投資家の保有比率が上がっても、議決権がなければ一安心、という訳ですね。
外国人投資家としても、すでに外国人投資家の保有比率が上限いっぱいで株式が買えない企業に投資できるというメリットがあります。
ちなみに、NVDRを導入している国の例としては、タイが挙げられます。
タイの場合は、もともと株式が国内投資家向けのローカル株と外国人投資家向けのフォーリン株とに分かれているのですが、残念ながらフォーリン株はそもそも発行株数が少ないこともあって取引が盛んではありませんでした。
そのためNVDRを導入することで、外国人投資家の投資ニーズに応えようとしたのです。
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