アジア株週間トピックス 2023年5月29日号
2023.05.29 (月)
ベトナムのGDP+6.5%成⾧達成に暗雲
ベトナムの第1四半期GDPからみて年間GDP達成は困難?
2023年5月22日、ベトナムの国会が開幕しました。会の冒頭では、ベトナム国家経済委員会のタイン委員⾧がベトナム経済の現況、見通しについてコメントしました。
ベトナム政府は2023年の年間成⾧率目標を6.5%としていますが、第1四半期(1~3月)の状況からみて、年間目標の達成はかなり厳しいのではないか、と懸念を示しました。すでに発表されている第1四半期GDP成⾧率は前年同期比+3.32%と低水準にとどまっており、年間6.5%を達成するためには残りの期間は平均7.5%成⾧が必要と試算されています。
金融市場、社債市場、不動産市場、企業の輸出など、これまでベトナムの経済成⾧を支えてきた分野がそろって低迷している今の状況では、7.5%はかなり高いハードルで年間6.5%成⾧という目標を達成するのは難しそうです。
フィリピンの2023年1~3月期GDP成⾧率は+6.4%
フィリピンは年間GDP成⾧率目標達成に自信
5月11日、フィリピンが2023年1~3月期GDPを発表しました。前年同期比+6.4%と好調でフィリピン政府が年間成⾧目標としている6.0~7.0%の範囲内です。バリサカン国家経済開発⾧官は、フィリピン経済の見通しは良好、との認識で、2023年:6.0~7.0%、2024年~2028年:6.5~8.0%、と定めている政府の成⾧率目標の達成について自信を示しました。
ベトナムとは異なりおおむねフィリピンの政府当局は今後の成⾧維持に自信を示しているといえます。
RCEP協定は6月2日に発効
6月2日よりフィリピンでRCEP(地域的な包括的経済連携)協定が発効することとなりました。RCEP協定はすでに13か国で発効しており、フィリピンは14か国目の発効となります。このRCEP協定にはアジアのほぼすべての主要国が加盟しており、加盟国の貿易総額は世界の貿易総額の約3割に達しています。
このたびの発効は今後のフィリピンの貿易促進、経済成⾧底上げに寄与するとみています。
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