アジア株週間トピックス 2023年5月12日号
2023.05.12 (金)
アジア新興国で銀行株が堅調に推移
アセアンの銀行はおおむね好調に
直近は世界的に多くの銀行株の堅調さが目立っています。米国中堅銀行数行の破たんによって世界経済へのマイナス波及が懸念されている一方で、利上げにともなう利ザヤの拡大、バリュー株(低PBR銘柄など)投資が増えてきており、銀行株高の一因になっていると思われます。
おおくのアジア新興国では、株式市場における銀行の比重が大きい、という傾向があります。銀行≒市場全体といって過言ではないと思います。世界経済の正常化期待を追い風に、銀行株は当面堅調に推移するとみています。
外需の低迷は深刻?
ベトナムの2023年1~4月輸出入が大幅減に
アジア新興国の銀行株が堅調とはいえ、アジア新興国の経済状況がすべて良好という状況ではありません。
昨年の不動産大手企業の不祥事以降、ベトナムでは経済、不動産市場の不振が続いています。直近5月9日にはベトナム税関当局が2023年1~4月のベトナムの貿易状況を発表しました。輸出は前年同期比13%減、輸入は前年同期比17.7%減と、輸出入ともに大きく減少し、世界的な外需の低迷が浮き彫りになりました。
ベトナム政府の2023年の年間GDP成⾧率目標は+6.5%ですが、2023年第1四半期は+3.3%と低水準にとどまっています。これまでベトナム経済をけん引していた外需が低迷している今の状況では、年間目標を達成するのは難しそうです。今後は追加利下げや付加価値税引き下げなど、景気刺激策発動を求める声が高まってくると予想されます。
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