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ベトナム便り スマートシティ

2022.08.12 (金)

ベトナム現地グループ会社

Japan Securities Co., Ltd.

ベトナム便り スマートシティ

スマートシティ。最近よく聞くこのワードをご存じでしょうか?

スマートシティとは、都市で集めた環境、設備稼働、消費者属性、行動履歴なの様々なデータを収集・統合・AI分析し、設備・機器の遠隔操作や、都市インフラ・施設・運営業務の最適化、企業や生活者の利便性と快適性の向上を目指す都市や地区のことを指します。

世界各国で取り組まれており、中央政府や地方自治体だけでなく、GAFAGoogleAmazonFacebookApple)やアリババなどIT系プラットフォーマーなどもスマートシティに取り組んでいます。日本では、トヨタによる静岡県裾野市の「ウーブン・シティ」、ソフトバンクによる東京都港区竹芝エリアの「スマートシティ竹芝」などが注目されています。

筆者は、ベトナムの大手不動産デベロッパーのビンホームズがハノイ市で開発を進める「ビンホームズ・スマートシティ」を訪れました。今回はその様子をレポートします。

ビンホームズ・スマートシティ

ビンホームズ・スマートシティはハノイ市西部のナムトゥリエム区にあります。ハノイ市中心地まで車で15分ほど、ノイバイ空港までも約30分の立地です。また、敷地面積は280ヘクタールと広大で、東京ディズニーランドの約6倍の規模を誇ります。

ビングループが運営する病院や学校、ベトナム最大のショッピングセンターがあるほか、1,000台ものトレーニング器具やバトミントン、フットサル、バスケットなどのコートを200か所以上備えた東南アジア最大規模の総合スポーツスタジアムや、遊戯施設などもあります。

スマートシティとして高度なセキュリティや、AIを活用したオペレーション、住まいのIT活用などが掲げられています。また、まだ開発途中ですが、メトロ5号線、6号線、7号線の計3路線が開通する予定で、将来的には多くの人が密集するエリアになると予想されています。

VinBus(ビンバス)

202112月に運行開始した電動バスのビンバス(ビンファスト製)もたくさん走っています。EVなのでとても静かかつ快適で、10kmほど移動しても約42円と破格の安さです!※1ドン=0.00593円で計算(2022715日時点、Bloomberg参照)

バス内は快適で、USBポートがあったり、いかにビングループのスマートシティが素晴らしいかをアピールする広告が流れていました。

ビンコムメガモール・スマートシティ

ビングループの子会社、ビンコムリテールが運営しているショッピングモールで、2022428日にオープンしました。

地上3階建て、敷地面積は68,000㎡で、同社が運営するショッピングモールの中では最大規模を誇り、国内外の有名ブランドなど約130社が出店しています。

館内には人工の川や、ベトナムの国花である蓮の葉のオブジェ、落下する水で文字を表現するアート、自撮り用の器具が備え付けられたフォトスポットまであり、とてもおしゃれでした。

ビンファストのホームページによると、ビンファストの急速充電ポートを使えば、約18分の充電で180kmの走行ができるそうです。たった18分の充電で、東京から静岡まで移動できます!

ZEN PARK

ビンコムメガモールのそばには「ZEN PARK」という大きな公園もありました。入居者しか利用できないように、専用のカードをタッチして入る仕組みとなっています。

公園の内部はAI搭載の顔認識カメラや、ナンバープレートを監視するセキュリティシステムなどがたくさん設置されており、都市機能を管理するシステムが整備されています。どこに行っても監視されているので少し怖い気がしました。

ちなみに筆者の出身地の兵庫県加古川市もスマートシティ構想を掲げていますが、現状では比べものにならないくらいビンホームズ・スマートシティの方が発達しています。

公園内の様子

東京ドームより少し広い6.1ヘクタールの敷地に、ベトナム人の想像する日本が詰め込まれていました。

芝生の手入れをする人がちらほら。こちらは手作業でした!こういうところは、アナログです。

多角経営するビングループ

スマートシティ内はビングループ関係のもので溢れています。マンションはビンホームズ、学校はビンスクール、スーパーマーケットはウィンマート(旧ビンマートで、現在はマッサングループ傘下)、車やEV充電スタンドはビンファスト、どこを見てもビングループの「V」のロゴがあります。

展示されていたビンファスト製品

ショッピングモール内には、ガソリン車「FADIL」(左)、新型電動バイク「Vento」(右)が展示されていました。ビンファストは7月初旬にガソリン車2車種の受注を終了しました。残るガソリン車はこのモデルのみで、今後はEV生産へと完全シフトする動きのようです。試乗してみたかったのですが、今回は残念ながらできませんでした。

所感

初めて実際に訪れたスマートシティは予想以上に最新鋭でした。ハノイ市の中心街から車でたった15分程度のところに、広大な一つの街を作るベトナム。その成長性に胸が躍りました。

また、冒頭で述べたように、日本でもトヨタやソフトバンクなどの大企業がスマートシティ計画を進めていますが、ベトナムでは多角経営を行うビングループのような企業が、1社で大都市を創り出してしまう点には大変驚きました。ベトナムではこういったスマートシティがまだまだ開発される予定のため、これからの成長に期待が高まります。

(執筆:宍倉陽菜、森本凌都)

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ライター

Japan Securities Co., Ltd.

ベトナム現地グループ会社

Japan Securities Co., Ltd.

アイザワ証券グループは、ベトナムの証券会社「Japan Securities Co., Ltd.(ジャパン・セキュリティーズ・インコーポレイテッド)」を2018年に子会社化。ベトナムの経済成長や、株式取引における規制緩和などを背景に、ベトナム株式投資に対する関心が高まっており、情報提供の強化や利便性の向上を図っている。

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