アジア株週間トピックス 2022年7月4日号
2022.07.07 (木)
ベトナムの2022年4~6 月期GDPは+7.72%に
ベトナムのGDP・鉱工業生産は、ともに予想を上回る高水準に
6月29日に、ベトナムは2022年4~6月期実質GDP成⾧率を発表しました。前年同期比+7.72%と、1~3月期+5.03%、事前の市場予想+5.9%を、ともに大幅に上回る結果で、想定以上であったといえます。また、同日6月29日に、月次統計のひとつとして6月の鉱工業生産が発表されました。前年同月比11.5%と、2021年4月以来の高水準となっています。四半期でみても、月次統計でみても、ベトナム経済の好調さがうかがえます。ファンダメンタルズの面から評価できるレベルといえます。
インフレは要警戒水準
良好な経済状況の一方で懸念されるのがインフレの進行です。2022年6 月のCPI は、前年同月比+3.37%と、2020年7月以来のインフレ水準となりました。世界的なインフレ進行で、ベトナムだけが直面している問題ではありませんが、ベトナム経済はインフレに弱い傾向があるため、直近のインフレ水準は要警戒です。引き続き注意しておく必要があります。
インドネシアの5月自動車販売台数は9.8%減に
インドネシアの5月自動車販売は49,454 台に
6 月30日には、インドネシア自動車工業会(ガイキンド)がインドネシアの自動車販売台数を発表。5月は前年同月比9.8%減の49,454 台と、2021年2月以来の低水準でした。新車を購入する際の奢侈税を50%軽減する、という景気刺激策が2022年3月末で終了。優遇策の終了が販売減の一因となりました。6月以降の販売台数の推移も注目されます。
ベトナムのタンタオ投資工業(ITA)の混乱
ベトナムの不動産会社「タンタオ投資工業」(ITA)は、ホーチミン市裁判所から、破産手続き開始決定を受けました。工業団地の土壌整備用の砂の売買契約、代金支払いをめぐって、紛争となっていることが問題視されています。同社のイエン会⾧は、「裁判所から求められている金額280億ドン(約1.63億円)は、同社の全資産の0.2%弱の水準で、破産手続きはナンセンスだ」と反論しており、結論が出るまで時間がかかりそうです。また、確かに理論上は支払い能力があるため上場廃止にならない、ということになりますが、政治的な問題も絡んでいるため、結論が出ないままの混乱状況が続くと思われます。ここ数か月の不動産関連の問題を含め、ベトナム株全体の重石となっています。
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