
特別授業 山口県立新南陽高等学校
2025.02.12 (水)




2024年12月16日、18日、19日の3日間、山口県立新南陽高等学校にて1年生を対象に金融授業を行いました。今回は「未来の自分へ今から備える金融リテラシー」をテーマに、投資詐欺や人生に必要な「お金」に対してこれからどう向き合っていくべきかをお伝えし、授業の後半では資産形成に触れてもらうことを目的に株価の動きを推測するグループワークを行いました。
1時間目

1時間目は前半に投資詐欺、後半に金融商品について講義しました。
投資詐欺はここ数年で増加しており、警視庁から発表されているデータに基づくと、その被害金額は2023年の1年間で452億円にもおよびこれには生徒も驚きの表情でした。詐欺被害者は高齢者が多いということはご存知でしたが、最近ではSNSによる若年層を狙った詐欺も多いことをお伝えしました。実際、生徒の中にも詐欺メールが来たことがある人が複数いました。詐欺の手口もより幅広くなっており、その危険性は身の周りに常に潜んでいるということを私たち講師陣も改めて実感しました。この点を踏まえて、地域全体で金融知識を向上させることが、地域を投資詐欺から守ることにつながる、そのためにもしっかりとお金について学んでほしいことをしっかりと伝えました。
後半では金融商品を紹介するにあたり、まず資産形成、資産運用する上で考えてほしいお金の要素(使う・稼ぐ・貯める・借りる・備える)についてお話ししました。近年、物価が上昇することで資産価値が減少していくことへの対応、人生100年時代の到来で老後資金の不足に対する資産形成の必要性などから、金融商品がより身近なものになりつつあることを伝えました。また、金融商品の代表的なものとして、預金、保険、株式、債券の4つの代表的な金融商品に触れ、それぞれの商品の特徴やリスクなどについても説明をしました。生徒たちにとって株式などは想像しづらい話だと思っていましたが、生徒自身がネットで株を買っている、または家族が投資をしているという生徒もいました。
二時間目に株価の動きを予想するグループワークを行うため株価が動く要因は多数あり、企業の業績やニュース以外に為替や世界情勢によっても株価は変動することを説明しました。例として、コロナ禍では人々がおうち時間として家の中に籠る時間が増えたことで、外食産業や旅行関連銘柄の株価は下がり、逆にゲーム機や医薬品関連銘柄の株価は上がったことをお話しすると、納得した表情で実際のその頃を思い出している様子が見受けられました。
2時間目

2時間目は、株価の動きを推測するグループワークを行いました。株価は東日本大震災などの震災や新型コロナウイルス、米大統領選など国内に限らず様々な世界的要因で動くとお伝えした上で、こちらで4つの企業をピックアップし、約20年前から現在までにおける株価の上昇順位を1グループずつ予想、発表していただきました。「自動車分野ではエネルギーの変化と開発や資源価格の状況によって株価が動くのではないか、海外に多く展開していることから業績があがったのではないか」など学生とは思えないほどのしっかりした理由もあがり、生徒の能力の高さを実感しました。中には順位を全て当てたチームもいましたが、生徒たちは正解を聞いてこの企業が1位なのかと驚いている様子でした。
株価の動きは話を聞くだけでは想像がつきづらいことだと思われるので、各グループ和気あいあいと楽しみながら意見を交わすことで、株価の動きについて理解を深めてもらえたと思います。
グループワークの後は実際に投資するうえで重要な3つのこと、「長期投資・分散投資・積立投資」についてお話しました。実際に資産運用するといってもなにからしたら良いかわからないのに加えて、学生にとって運用に回せる資金は限られています。そこで資産運用ができる年齢になったとき、実際にどのような方法で運用したら良いかの例としてお話しました。株式や投資信託、債券など様々な金融商品がある中で、どのような商品で運用したら良いのか、未来がまだまだ長い学生に少しでもお役に立てばと思います。
実際にご両親の影響で株式投資をしている生徒は、学生ながらも知識があり、大人顔負けな考えを持っていました。興味津々で本講義を聞いてくださり、他には講義の後に質問にくる生徒もおり、若い方も資産運用について興味を持っていることが知れた一日となりました。
高校生に向けての金融授業は初めの経験でとても緊張していましたが、最終日には楽しみながら講義をすることができました。短い時間の講義でしたが、新南陽高等学校の生徒たちにとっても私たちにとっても、大変濃い1日となりました。参加した高校生は1年生でしたが、しっかりと運用に対しての正しい知識を持っていただき、今回の講義がより一層生徒たちの将来の資産形成の一助となったのではないかと感じています。生徒から親御様、そのまた上の年代と、金融知識の向上がより広がっていければと思います。
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