外国市場ガイド:イスラエル編
2021.12.24 (金)
中東のシリコンバレー
イスラエルは人口900万人ほどの小さい国ですが、農業や灌漑、そして様々なハイテク産業において最先端の技術力を有しているのが大きな特徴です。建国から、寄付金など海外からの多額の経済援助を受けて経済を発展させていき、1980年代後半には、ヨーロッパ諸国やアメリカとの自由貿易協定などで経済成長を加速させていきました。
イスラエルは国土の半分以上が砂漠であり、周辺諸国との争いから常に緊張感が高まった状態です。そのため、農業、軍事、ハイテク技術などで、研究開発に余念がなく、その技術をベースにした多くのスタートアップ企業が排出されていることから、「中東のシリコンバレー」と呼ばれ、高度な技術力を背景とした経済成長を遂げています。実は、イスラエルの2020年の1人当たりGDPは先進国並みの水準で、4万3,000米ドルを超えており、日本より上位となっています。
新型コロナの感染対策では、常に世界に先駆け、ワクチン接種を推し進めてきたコロナ対策先進国のイスラエルですが、今後は、対米関係やアラブ諸国との国交樹立から経済関係の強化をしていき、経済発展につなげていくことが重要になってくるでしょう。
高校でプログラミング教育が必須に?!
イスラエルは、地中海に面する中東に位置し、かつての古代イスラエル・ユダ王国の首都で、エルサレム神殿があったとされ、また、イエス・キリストが処刑された地でもあるといわれています。そのため、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教共通の聖地となっており、歴史的な建造物も多数みられます。
また、各国と緊張関係が続いているため、イスラエルでは18歳になると兵役の義務があり、ほとんどの場合イスラエル国防軍で軍務に服します。そのため、サイバーセキュリティにも力を入れており、その影響でIT技術の先進国として注目されています。1990年代には高等教育の科目の一つとして、コンピューターサイエンスが導入されています。
イスラエル株式市場について
主要株価指数と為替相場の推移
代表的な上場銘柄
イスラエルの主要市場であるテルアビブ市場には535社が上場しています。ハイテク、IT分野においては世界的に定評があり、全上場銘柄のうち同分野関連企業の比率は約26.2%と最も多く含まれています。主要指数は時価総額上位の35社から構成されるTA35で、同指数の時価総額は、5,826億シェケル(約21兆円)です(比率、時価総額ともに2021年11月21日時点)。
米国など他市場にも同時上場しているケースが多いのも特徴の一つで、米国・ナスダック市場の上場企業数は、米国、カナダに次ぐ規模です。
また、2021年10月末時点で時価総額最大のナイス社の時価総額は、564億シェケル(約2兆304億円)。前身は軍事、セキュリティ事業を行なうナイスシステムズ社で、現在はアプリ、ソフトウェア開発を手掛けています。
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