なぜなにワード解説 金利って?
2022.02.25 (金)
金利って?
株価に影響を及ぼすといわれる「金利」ですが、なぜそういわれるのでしょうか。金利と株価の変動の関係には、いろいろな要素がからみあっています。今回は金利がどのようなものかお話していきます。
金利は、身近なところでは銀行の預金などに影響しています。銀行にお金を預けると、少しだけ利息がもらえます。ローンで銀行からお金を借りる場合には利子がかかります。この利息や利子が金利です。金利は金額そのものをさす場合もありますが、もとの金額に対して支払った金額の割合という意味で使うことのほうが多くなっています。
銀行によって異なりますが、日本の景気が良かった1990年代初頭の預金金利は2%。100万円を預けたら1年で2万円の利息をもらえていました。しかし、今は0.001%程度です。なぜ日本は、お金を預けても増えない低金利なのでしょうか。
金利が下がると、銀行は低い金利で資金を調達できるので、お金の貸出においても、金利を引き下げることができるようになります。個人の場合は、住宅の購入のための資金が借り易くなったりします。また、金融市場は連動しているで、企業が社債発行などの形で資金調達をする際の金利も低下します。そうすると、企業の仕入れや、設備投資に必要なお金を調達し易くなります。こうして経済活動が活発になり、景気が上向くことによって、株価の上昇が期待できます。投資においては、金利が低い状態では、預金や債券よりも、株価が変動する株式への投資に魅力を感じる人もいるかもしれません。
低金利のときには、お金を預けてもほとんど増えない代わりに、借りたときに利子を多く払わなくて済むようになっているのです。お金を借り易くして、もっとお金を使ってもらえば経済が活性化します。金利が低い日本には、このような面があったのです。
一方、金利が上昇すると、金融機関は、以前より高い金利で資金調達しなければならず、企業や個人への貸出においても、金利を引き上げるようになります。そうすると、企業や個人は、お金を借りにくくなり、経済活動が抑制されて、景気の過熱が抑えられることにより、株価が下がることが考えられます。
ここまでお話してきたことから、金利と株価には、直接の因果関係はあまりないと言えるでしょう。金利の変動による、経済活動の拡大縮小、景気の動向など、さまざまな過程を経て総合的に株価が変動するのです。
とはいえ、株価を決める最大の要因は、その企業の売上や利益を表す「業績」です。業績が良くなれば、配当が増えることも期待され株価も上がります。また、新商品がヒットすると、その企業が注目され、株価が上がったりします。株価の変動については、さまざまな方向から見て考えたいですね。
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