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なるガジェ通信 タムラ製作所子会社の酸化ガリウム
2022.02.02 (水)
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噂のタムラ製作所子会社の酸化ガリウム
タムラ製作所の子会社であるノベルクリスタルテクノロジーが開発中の酸化ガリウム:
- 昨年、プレスリリースされてタムラ製作所の株価が1,000円を超える材料となった酸化ガリウム。酸化ガリウムが大きく注目される背景は、パワー半導体の分野で既存の材料であるシリコン(Si)、そして普及が期待されるシリコンカーバイド(SiC)に次ぐ半導体材料となる可能性を秘めているからである。
- パワー半導体はモーターの駆動やCPU、メモリの作動、バッテリーの充電など、電力があるところには必須の半導体。既存のシリコンでは高圧な電力が扱えず、ハイブリッド車まではシリコンのパワー半導体で十分だが、高電圧が必要とされる電気自動車では不十分と言われ、より高電圧に耐えられるシリコンカーバイドが台頭した。シリコンカーバイドではロームが大手の一角でリーディング企業。一方で、シリコンカーバイドは非常に価格が高く、ウェーハが硬いなどネックを抱えている。酸化ガリウムはそれを解決する材料と期待される素材である。
- 酸化ガリウムには5つ結晶の形がある。ノベルクリスタルテクノロジーが開発しているものはβ結晶で、ライバルとしては京都大学発のベンチャー企業があり、こちらはα結晶を使用する。
- 酸化ガリウムのデバイスは今年の秋にリリース予定。現在、数社にサンプル出荷がされている模様。まずは電気製品のスイッチにて使用され、その後の自動車にて使用される期待が高まるが、現時点で自動車への使用は確認できておらず、暫く時間がかかりそうだ。
※写真はすべてアイザワ証券が撮影
(執筆:市場情報部 横山 泰史)
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