FP特別講義 お金が貯まる夫婦の家計管理方法!
2022.03.04 (金)
家庭を持つと出産や子育て、マイホームの購入といったようにさまざまな出費が発生する可能性があるため、それらのライフイベントに備えるためにお金を貯めていくことが大切です。けれど、みなさんの中には、「お金がなかなか貯まらない!」「どうやったらお金を貯められるだろう?」と悩んでいる方もいるかもしれませんね。
また、共働きで互いの収入があるからと、家計管理について夫婦で話し合わずに過ごしてきた方もいるかもしれません。
豊かな夫婦生活を送るうえで、貯蓄は大切です。今回は夫婦で取り組みたい家計管理やお金の貯め方を解説します。
ズバリ、家計管理ひとつでお金は増えるの?
貯蓄できるお金は、収入から支出を引いた額です。そのため、お金を貯める方法として以下が挙げられます。
① 収入を増やしてお金を貯める方法
② 支出を減らしてお金を貯める方法
このうち家計管理は②に効果的です。①のように、収入をすぐに増やすのは難しいですよね。そのため家計管理によって、何にお金を使っているのかを正しく把握し、貯蓄につなげることが大切です。
家計管理がうまくいかない夫婦世帯の特徴は?
忙しい日々の生活で、ついつい「相手に任せてしまう」「コミュニケーションをとる時間を削ってしまう」「現実から目を背けてしまう」という方もいると思います。これらの行動は、夫婦生活に限らず家計管理においても障壁となってしまいがちです。
「パートナーが管理してくれるだろう」といった相手任せの意識では、生活費への関心が薄らいでいきます。その結果、「いつまでに、いくら貯める」という、貯蓄目標計画の共通認識を夫婦で持ちにくくなります。このような状態では、お互いの収入と支出はもとより、自分自身の収入と支出も把握できない状況になってしまうかもしれませんね。
これでバッチリ!お金の貯まる家計管理方法
夫婦の収入状況や、それぞれの年齢や職業に照らした収入が適正かどうかによっても、家計管理の方法は異なります。
まずは現状を把握して、無理のない範囲で収入と支出が好バランスになるような取り組みを行うことが、最初の一歩です。
家計管理を行なう際に、活用したいのが家計簿です。家計簿を記録する際は、以下の5つのポイントに注意しましょう。
① 貯蓄目標計画をたてる:目標金額と達成までの期限を決める
② 先取り貯蓄をする:収入のうち貯蓄にまわせる額を先に決める
③ 月ごとの支出を明確にする:家計簿に支出を記録して管理する
④ 改善点を探す:家計簿の記録をもとに支出の内容を振り返る
⑤ 目標を再設定する:貯蓄目標計画を見直す
家計簿は、厳密に細かく記録していると、面倒になりがちです。例えば以下のように振り返りができる最低限の項目を記録して、継続することが大切です。
家計簿にはさまざまなタイプがあり、自分で直接書き込むノートタイプ、自動で計算可能なうえにアレンジも可能なエクセルタイプ、外出先でも確認できるアプリタイプなどから、自分に合ったものを選ぶことも大切です。
また家計簿選びに加えて、以下のいずれかの方法で家計を管理するかを決めましょう。
- 共有の口座で管理する
- どちらか一方が管理する
- 支出項目ごとに管理する
共有口座で管理する
夫婦それぞれが収入の一部をひとつの口座にまとめて、生活費をやりくりする方法です。
共有口座を開設することで、家計に対する共通認識が生まれるというメリットが挙げられます。また、夫婦がそれぞれ、小遣いを除いたお金を貯蓄することも可能なので、お金が貯まりやすいというのもメリットでしょう。
共有口座からの支出をこまめに確認し、共有口座においても貯蓄をすることで、家計管理の効果が高くなるでしょう。
どちらか一方が管理する
夫婦のうち、どちらか一方が家計管理する方法です。例えば、収入の高い夫が中心となって家計管理、専業主婦の妻が中心に家計管理、といったようなパターンです。
この方法は、収入・支出の全体像が見えやすいというメリットがあります。
口座保有者が月1回など定期的に家計を報告し、夫婦で貯蓄目標に向けた現状を把握することで、家計管理の効果が高くなるでしょう。
支出項目ごとに管理する
たとえば、夫が家賃や水道光熱費、妻が食費というように生活費を分担して、それぞれの収入から負担します。夫婦はそれぞれ、収入の残りを小遣いや貯蓄にまわせます。
家計管理以外にお金を増やす方法
家計簿の記録を振り返り、支出を見直し改善しても、目標としている貯蓄額に届かないこともあるでしょう。この原因は、単に無駄遣いにあるとは限りません。貯蓄目標の設定が高いなど、別の要因も考えられます。
もし、貯蓄が目標金額に達しない場合は、支出を減らすほかに収入を増やす方法も検討してみましょう。
例えば、普通預金もしくは定期預金以外に資産運用をするケースがあります。アイザワ証券が実施した全国のお勤めになっている23歳以上の方向けに実施したアンケートの調査では、62.2%がなんらかの金融資産を保有していることがわかりました。
ただし資産運用においては、元本割れなどの損失がでる可能性があることを理解しておく必要があります。
資産運用の選び方
資産運用を行うことで得られる成果をリターンといい、そのリターンの不確実性の度合い(振れ幅)のことをリスクといいます。そして金融商品によって、期待されるリターンと想定されるリスクが変わります。
資産運用の基本は上記を理解したうえで、今後の景気や金融情勢なども見据えて金融商品を選択することです。
重要なのは、どの金融商品に投資するのかを決める前に、「いつまでに」「いくら必要」という目標設定を行うことです。
投資できる金額を明確にしたうえで金融商品を選定するというプロセスが大切です。
もし、目標設定と投資額の差分が大きい場合は、リスクの低い商品だけでなく、リスクの高い商品も投資先に組み入れることを検討する必要もあるでしょう。投資する金融商品によってリスクも異なるため、上手にリスクと向き合いつつ目標達成を目指しましょう。
例えば、投資できる金融商品の代表例としては
- 株式
- 債券
- 投資信託
が挙げられます。これらを「安全性(元本や利子の支払が保証されているか)」「収益性(より高い収益が期待できるか)」「流動性(必要なときにすぐにお金に換えられるか)」の3つの特性でわけると以下のとおりです。
なかでも、投資信託は、安全性を重視したものから収益性を重視したものまで、さまざまな運用商品があります。投資信託は、投資先の選定と運用をプロが担っているので、資産運用が未経験で自信がない方には、投資信託がおすすめです。
まとめ
お金を貯める方法は、「収入を増やす」「支出を減らす」の2つがあります。そして家計管理は、「支出を減らす」ために重要です。
また、お金を貯めるには、貯蓄目標計画をたてて、先取り貯蓄ができる家計管理を目指すことが大切です。
家計管理には、家計簿を記録することが効果的です。自分が記録しやすいタイプの家計簿を選び、やみくもに記録するのではなく、振り返れる最低限の項目の記録をとるようにすれば継続しやすくなります。
家計簿の振り返りと合わせて、貯蓄目標計画の見直しを行うことも大切です。そのうえで、目標設定に達しないときは、ほかに収入を増やす方法として、資産運用を検討してみましょう。
資産運用は、自分の目標設定と投資できる資金を明確にし、金融商品の特性を理解したうえではじめるようにしましょう。
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