ベトナム現地情報2022年5月号より 企業紹介 センチュリーランド
2022.05.30 (月)
センチュリーランド(CRE)
2018年12月~2022年4月 センチュリーランド 株価推移
センチュリーランドは2001年に設立された国内大手の不動産仲介会社です。同社の主力事業は、不動産仲介業と不動産投資事業の2つです。
2022年第1四半期の売上高は前年同期比5%減の1兆9,420億ドンとなりました。部門別では不動産仲介が前年同期比25%減の2,860億ドン、不動産投資が前年同期比ほぼ変わらずの1兆6,430億ドン、マーケティングサービス・オフィスリース等が前年同期比36%増の129億ドンとなりました。
同社は先日(5月12日)に年次株主総会を実施し、2022年の業績目標を発表しました。売上高が前年比51.9%増の8兆5,000億ドン、純利益が前年比57.4%増の9,000億ドンに設定しています。
同社が運営するCENHOMES.VNは、ベトナムで有力な不動産取引プラットホームです。
基本データ (4月末時点)
売上高構成比
売上高・純利益
しっかり深掘り☞センチュリーランド企業訪問
筆者は4月22日にセンチュリーランドを企業訪問し、IR担当者のNguyen氏から直接話を聞くことができました。
まず同社の課題に関して、同氏は当局の不動産融資の引き締めにより、投資家の意欲が削がれる可能性があること、2022年の売上高目標を10兆ドンから8兆5000億ドンに引き下げる予定があること(実際に引き下げられました)を挙げています。
次に同社の先行きに関して、不動産供給量の減少が販売価格の上昇に繋がる可能性があること、不動産融資の引き締めによって開発業者の資金調達が困難になることで同社の不動産投資事業にチャンスが来ることを強調しました。
不動産投資事業は、2022年の成長エンジンになるとしています。通常の不動産投資プロジェクトは完成までに2〜10年と長い期間を要します。しかし同社は6か月と短期で売却できるプロジェクトに絞っているため、キャッシュフローの改善に繋がっています。さらに不動産仲介業務で培われた経験とデータが、その収益性の高いプロジェクトへの投資を可能にしています。
不動産仲介事業は同社の中核であり、北部で40%、全国で15〜20%の市場シェアを持っています。Rising Star Media(ベトナム唯一の不動産マーケティング会社、大手不動産開発会社の多くが顧客)や、CENHOMES(仲介業者向けのプラットホームを運営、不動産の査定システムに定評)といった有力な事業を抱えています。ブランド認知力を高めるためにビンホームズやノバランドの不動産を仲介しています。しかし仲介手数料の多くは、独占販売権を持ち、手数料が高い小規模プロジェクトから入ってきています。業界では多くの開発業者が独自の仲介部門を作ろうとしましたが、うまくいかず、最終的に同社の仲介サービスに頼ることになったといいます。
※センチュリーランド(CRE)はアイザワ証券の取扱い銘柄ではありません。
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