
以新伝心 開催迫る大阪・関西万博。その規模は?
2025.02.17 (月)




開催迫る大阪・関西万博。その規模は?
2025年が幕を開け、今年最注目のイベントである「大阪・関西万博」の開催まで100日を切った。1月19日には万博の玄関口となる「夢洲(ゆめしま)駅」(大阪メトロ中央線)も開業となり、準備は着々と進められている。1970年の前回開催からおよそ半世紀振りに大阪凱旋となる今回の万博は、4 月13日~10月13日(184日間)での開催が予定されている。現時点では、フジテレビの不祥事というメディアの根幹を揺るがすニュースに話題を攫われ、やや盛り上がりに欠ける印象こそあるものの、国を挙げての一大イベントであることに疑いはない。特に前回の盛り上がりを体感している方々にとっては、当時が思い出され胸躍るイベントになるのではないだろうか(平成生まれの筆者にとっては残念ながら資料映像の中の出来事である)。
万博会場となる大阪湾に浮かぶ人工島「夢洲」まで大阪駅から電車で約30分。万博基本計画によれば想定来場者数は2820万人とされており、単純平均で一日あたり15万~16万人の計算となる。土日祝日や大型連休、終盤期(9月~10月)には20万人超えと、大いに混雑することが予想される。万博開催期間中に、大阪の主要各駅から運行が予定されているシャトルバスの輸送容量や会場駐車場のキャパシティは16万~20万人程度が限界とされており、混雑が予想される日に来場を予定する方はあらかじめ鉄道での移動に切り替えるなど柔軟に対応したいものだ。

地域別では、来場者のうち近畿圏内が約55%、近畿以西が約10%、近畿以東が約22%と見込まれている。また海外からの来場者は350万人(13%)と見込まれているが、近年のインバウンドの動向を鑑みれば保守的な想定にも映る。2024年の年間インバウンド訪日客数は、3687万人とコロナ前の水準(2019年の3188万人)を大きく上回り過去最高を記録(出所:日本政府観光局)。2025年には4000万人の大台も射程圏内に入るなど引き続き好調が見込まれる。閉会後の万博跡地にはIRリゾートの建設なども予定されており、近畿圏の盛り上がりは本年以降も期待できよう。関西を地盤とする消費関連企業の業績の押し上げなどにも注目したいところだ。一方で、観光客の集中による地域の住環境の悪化や交通不便など、オーバーツーリズムの問題は一層先鋭化するリスクもある。国費を大きく費やすプロジェクトであるだけに、半世紀後に懐かしく語らうことができるような記憶に残る万博を期待したい
※「以新伝心」は、新しい出来事に着目し、心に伝えることをコンセプトにしたコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。
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