ゼロから学べるアイザワ投資大学

会員登録(無料)

記事検索

初心者向け

グロース株とバリュー株の違いとは?指標を使った見分け方も紹介

2024.10.11 (金)

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

グロース株とバリュー株の違いとは?指標を使った見分け方も紹介

株式投資を考えるに当たって重要となるのは、投資の方針です。ご自身がどういうスタイルで株式投資をしたいか、人によって考え方は様々です。「短期的な株価の上昇や、大きな値上がり益を上げたい」という方もいれば、「長く安定的に保有して、じわじわと利益を上げたい」という方もいらっしゃるでしょう。株式投資では、そんなご自身の投資スタイルにマッチする株を、たくさんの企業の中から探さなければなりません。

そこで今回は、自身の投資スタイルにあった銘柄を探す際に役に立つ「グロース株」と「バリュー株」という株の分け方について紹介していきます。

グロース株・バリュー株とは?

まずはグロース株、バリュー株がそれぞれどういう性質の株なのか説明します。

グロース株(成長株)とは

株式市場では、業績や利益の成長率が高く今後も高い成長が見込まれる銘柄を「グロース株」といいます。業績の拡大が著しい企業や、革新的な商品やサービスを提供していたり、最先端の技術を使った新しい事業に取り組む企業などが多く該当します。ITやテクノロジー関連の企業が多い傾向にあります。

バリュー株(割安株)とは

「本来の企業価値」と比べて株価が低い状態(割安)にある銘柄を「バリュー株」といいます。「本来の企業価値」とは、企業の生み出す利益や保有資産から算出されるものです。例えば、すでに成熟した業種(例:銀行業や製造業など)の企業や、安定的な業績の推移であるものの、知名度が低かったり、話題性に乏しい企業がバリュー株に多く該当します。

グロース株とバリュー株は対極の関係にあるとされます。バリュー株とグロース株を見分ける際の指標として、一般的にPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)などが用いられます。それぞれ簡単に説明していきます。

BPS(一株当たり純資産)一株に対してどの程度純資産があるのかを表します。BPSは経営の健全性を表しています。数値が大きいほど健全な経営をしていると言えます。計算式(円):純資産÷発行済み株式数。 PBR(株価純資産倍率)純資産に対して株価が何倍買われているかを表します。PBRの数値が低いほど株価が割安であると判断できます。同業他社のPERや過去の自社のPERの平均などと比較することが多いです。計算式(倍):株価÷BPS(一株当たり純資産)。 EPS(一株当たり純利益)一株に対してどの程度利益を上げているかを表します。EPSは数値が大きいほど利益を上げていると言えます。過去のEPSと比較して成長している企業の株価は上がりやすくなります。計算式(円):純利益÷発行済み株式数 PER(株価収益率)利益に対して株価が何倍買われているかを表します。PERの数値が低いほど、利益に対して株価が割安であると判断できます。同業他社のPERや過去の自社のPERの平均などと比較することが多いです。計算式(倍):株価÷EPS(一株当たり純利益)。

PBR(株価純資産倍率)

会社の資産のうち、株主が保有している資産を「純資産」といいます。PBRは、株価がこの「純資産」の何倍で評価されているかを示す指標です(計算の際には、株価との比較のため純資産は一株当たりに直します)。

式:株価÷一株当たり純資産(BPS

一般的に、PBRが競合他社や自社の過去平均と比べて高い水準であれば割高、逆に低い水準であれば割安、すなわち「バリュー株」であると考えられます。なお、PBR1倍を下回っている状態を指して割安、と考えることもあります。PBRは解散価値であるともされますので、PBR1倍を割っている状態とは、何らかの理由で、「事業を継続するよりも解散した方が良い状態」であるとも考えられています。

PER(株価収益率)

PERは、企業が営業活動を通じて稼いだ利益(「当期純利益」)に対して、株価がこの「当期純利益」の何倍で評価されているかを示す指標です(計算の際は、PBRと同様「当期純利益」を一株当たりに直します)。

式:株価÷一株当たりの当期純利益(EPS

PERの場合もPBRと同様に、競合他社や自社の過去平均と比べて高い水準であれば割高、逆に低い水準であれば割安、すなわち「バリュー株」であると考えられます。逆にグロース株の場合、株価は将来の成長を先取りして動くため、一般的にPERPBRで見た場合高くなる傾向にあります。

PBRPERについては以下の記事でよりくわしく解説しています
 「投資先の判断材料!投資指標を知ろう【前編】

グロース株投資・バリュー株投資のメリット・デメリットは?

ここからは、グロース株、バリュー株に投資する場合のメリットデメリットについてそれぞれ説明します。まずはグロース株投資から見ていきましょう。

グロース株投資のメリットは?

ポイント1.大きな値上がりが期待できる
今後大きな成長が期待できる銘柄であるため、大きな値上がり益(キャピタルゲイン)につながる可能性があります。

ポイント2.短期的な値上がりを期待できる
企業の成長が早ければ、それだけ短期間で株価が値上がりする可能性があります。株価が急上昇したタイミングを見計らって売却をすると大きな値上がり益(キャピタルゲイン)が狙えます。

グロース株投資のデメリットは?

ポイント1.配当金は期待できない
成長中の企業であり、利益を設備や研究費などの成長投資に回す傾向にあるため、配当金が少なかったり、そもそも配当を出さない企業もあります。投資する前に確認しておきましょう。

ポイント2.割高な株を買うことになる
グロース株は投資家からの注目を集めやすい銘柄なため、企業の価値に対して株価が割高になる傾向があります。実際に、先述したPERPBRなどの株価指標で見た場合、高い水準を示していることが多いです。また、株価が乱高下しやすく、業績などによっては株価が大きく下落することもあります。

今度はバリュー株に投資する場合のメリットデメリットをそれぞれ説明します。

バリュー株投資のメリットは?

ポイント1.株価の下落率が低い傾向がある
元々企業価値に対して株価が割安になっていることが多いバリュー株は、グロース株と比べると株価の下落率が小さい傾向にあります。そのためグロース株投資よりも安定的な投資とされます。

ポイント2.配当が充実している
バリュー株には成熟した大企業が多いため、グロース株に比べて配当や株主優待などの株主還元が充実している傾向があります。保有している間は、定期的に配当が入ってくる可能性が高く、継続して利益が得られるチャンスがあります。

※配当、株主優待については以下の記事でよりくわしく解説しています
 「株価の値上がりだけじゃない!?株式投資のメリット
 「株主優待生活のススメ

バリュー株投資のデメリットは?

ポイント1.大きな利益・短期的な値上がり益は狙いにくい
価格の変動幅がグロース株と比べると小さいため、大きな値上がり益(キャピタルゲイン)は狙いにくくあります。そのため、ある程度の利益を狙うには短期的ではなく相応の期間を要する傾向にあります。

ポイント2.ただ安いだけの可能性がある
業績低迷などで株価が下降傾向にある企業や、財務体質に問題を抱える企業の場合、株価がただただ安いだけで、「割安」ではない株である場合があります。PERPBRなどの株価指標だけでなく、売上や利益の成長率、財務状況が健全であるかどうかしっかりと確認して投資することが重要です。

終わりに

いかがでしょうか。今回はグロース株とバリュー株の違いとそれぞれのメリットデメリットについて解説していきました。皆様の投資スタイルにあっているのは、グロース株、バリュー株のどちらでしょうか?本記事が皆様の株式投資のお役に立てば幸いです。

ご留意事項

金融商品等の取引に関するリスクおよび留意点等

お客様にご負担いただく手数料について

免責事項
本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、お客様ご自身による判断でお決めください。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。結論は作成時点での執筆者による予測・判断の集約であり、その後の状況変化に応じて予告なく変更することがあります。このレポートの権利は弊社に帰属しており、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行わないようにお願いいたします。

ライター

アイザワ投資大学 編集チーム

アイザワ証券

アイザワ投資大学 編集チーム

投資情報サイト「アイザワ投資大学」を運営しています。 投資大学の理念は「投資のモヤモヤをナルホドに!」です。 投資大学では投資のヒントになるコンテンツを発信しています。 一人でも多くの方のモヤモヤがナルホド!になる。それが私たち編集チームの願いです。

アイザワ証券公式SNSアカウント