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亜州潮流 ラオス・ビエンチャン紀行

2024.11.25 (月)

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亜州潮流 ラオス・ビエンチャン紀行

ラオス・ビエンチャン紀行

約6年におよぶハノイ生活も終わりを迎えつつある今年3月、ベトナムの隣国であるラオスの首都ビエンチャンを訪れた。ラオスはフランスの旧植民地であるが、人口の60%が仏教を信仰していると言われる。ビエンチャン市内には仏教寺院がたくさんあり、観光スポットはこれらがメインだ。高層ビルは少なく、ハノイのような渋滞や喧騒もない(週末だったからかもしれないが、のんびりした街である。旅行サイトなどでは、「世界一何もない首都」などと紹介されている。

パトゥーサイと最上部からの街並 (筆者撮影)

一通り有名な仏教寺院を観光したが、フランスを思わせる建物もある。有名なのはパリの凱旋門を模して建てられたというパトゥーサイという建造物で、一直線の大通りの中心に立つ戦没者記念塔である。凱旋門と仏教寺院を融合したような外観だが、階段を登って内部に入ることができ、最上部からはビエンチャンの街並みが一望できる。

中国からの投資が活発

ビエンチャンで目についたのが、中国語の看板が多いことだ。中国企業名や〇〇酒店(ホテル)、△△餐庁(レストラン)など中国語表記の看板をあちこちで目にした。ラオスは中国と国境を接し、「一帯一路」構想の通り道にある。近年中国からの投資が活発で、ラオスで働く中国人も多いのだろう。2021年には、中国雲南省昆明市から世界遺産都市のルアンパバーンを通り、ビエンチャンに至る高速鉄道であるラオス中国鉄道が開通した。今回の旅では乗る機会が無かったが、ベトナムで計画はあるものの進捗しない高速鉄道が、ラオスにあるとは驚きであった。市内にはマレーシアのパークソン・ホールディングスが運営する立派なショッピングモールもあり、スターバックスはスマホを手にした若者で賑わっていた。

外貨獲得で経済安定図る

ラオスはメコン川を挟んでタイとも国境を接している。ビエンチャンもタイの対岸にあり、私が訪れた3月は乾季に当たるためか、あるいは上流にある中国のダムの影響か、川の水量は少ない感じがした。ホテルやレストラン、スーパーなどではラオスの通貨であるキープに加えてタイバーツ、米ドルも使える。ただし外貨で払うとおつりはキープとなり、キープはラオス国外では両替ができない。この仕組みはカンボジアも同様だ。ラオスやカンボジアのような発展途上国は、貿易収支が不安定でインフレ気味のため自国通貨が弱い。まずは外貨準備を増やし通貨価値を安定させるのが、発展途上国に求められる政策の一つなのだろうと実感した旅であった。

※「亜州潮流」は、アジア新興国のトレンドを解説したコラムです。投資の推奨を目的としたものではありません。

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